「自分から仕事をとりにいく」とは?組織デザインにTRYして見えたこと
rootのさとりこです。
プロダクトデザイナーとしてクライアントワークにコミットしつつ、rootのそのものの組織デザインを行なっています。
「自分から仕事をとりにいく」ってなんだ!?
突然ですが、「指示されたことだけやっていては半人前だよ」というようなFBを受けたことはないでしょうか?
わたしも一年前、CEOの西村から「言われたことをやっているだけでは一人前ではない、自分から仕事をとりにいけるようになるといい」というFBを受けました。当時はデザイナーにキャリアチェンジして2年目、クライアント先のpdmやrootのDPMから指示されたタスクを実行し、そのタスクの中での期待値に応えるので精一杯。
FBされた瞬間頭に以下のことが浮かびました。
「とりにいく」少なくとも、無作為に見つけたことに取り組むことではない、それは理解できました。より誰かの役に立つことに取り組む必要があるのは分かる!ただ、どうやって見つけたらいいんだろう…?「何かできることありますか?」と聞いたとしても出てくるのは顕在化しているタスクだし…結局指示をもらって動くことになるし…ぐるぐる….🌀
この記事では、指示されたタスクだけでなく「潜在的なタスク」を見つけて実行できるようになり、より多くの価値を提供するにはどうしたらいいのか?この問いに自分なりの見解を見つけるまでを書きます。「より能動的に貢献したい気持ちはあるが、どうしたら…?」というプレイヤーのみなさん、「プレイヤーメンバーと、依頼者⇄実行者という関係性を超えて共創していけるようになりたいが、どう伝えたら…?」というマネージャーのみなさんのヒントになれば嬉しいです!
きっかけはrootの組織デザインにチャレンジしたこと
rootは前期より、rootにおけるデザイン活動を「デザイン実践とデザイン投資」と定義し、両輪で活動する仕組みを整えてきました。デザイン投資活動とは、端的にいうと「rootという組織に対するデザイン」です。「design doing for more」というビジョンの実現に向かって、よりクライアントの事業成長に貢献できるように、採用、育成、ナレッジ運用などの活動を行っています。
このデザイン投資活動において、People Experience領域のリーダーという役割になり、活動しています。
組織デザインの経験がない中でひたむきに走るうち、ふと「あれ?組織デザインに関しては、誰かに言われなくても、やるべき仕事が見えてくるかも…?」と思い至る日がありました。何か新しいフレームワークを使ったわけでも、体系的な知見を得たわけでもなく、本当に自然に、気づいたらという感じでした。エッ他のPJでもできるようになりたいんだけど…?なんでこうなった…?ということで、どのような価値観・学びを得てこうなったのか内省しました。
「組織/チームには人が集まる意味がある」ということを理解した
今思えば当たり前ですが、どのような組織/チームにも人が集まる意味、つまり実現したいことがあり、組織/チームに所属するメンバーは、少なからずそれを実現するために集まった人である。これをはっきりと認識できるようになったことが大きなきっかけとなりました。root であれば「design doing for more」というビジョンを実現するために集まっている。
デザイン投資活動という贅沢な名がつく前も、出社日でのコミュニケーション設計をしてみたり、総会の設計をしてみたりしていました。みんなが違いを認め合い、多様性を生かしてイキイキと働けるようにする。そういったゴールを描きながら走っていました。 しかし、それはメンバーの関係性構築に役立つ程度にとどまっていて、成果が見えないという壁が見えてきたのです。チームで働くために関係性構築が重要であるという価値観は今でも変わっていませんが、一体何のために関係性構築し、心理的安全性を作ろうとしているのか、当時は曖昧だったのだと思います。
壁を打破したのは、「個々の違いではなく、共通点=rootに集まる意味に目を向けてみては?」というHRマネージャーのFBでした。最初から「完全理解!」とはなりませんでしたが、「まずやってみる」を大事にいくつか施策を実行しているうち、「rootみーんなで喜べるニュースは、rootがビジョンに向けて前進しているニュースだ!」という確かな実感を得て、変化していきました。
潜在的なタスクに出会うには?:組織/チームが実現したいことから、今日このときのタスクまで、柔らかな全体像を描く
組織/チームには人が集まっている理由がある!を理解してから今日まで、わたしの脳内にこんな絵が描かれています。
ビジョンを実現するための今期のOKRであり、OKRを達成するための施策であり、施策を成功させるための今日のタスクだ!という図です。この図が描かれたことにはこんな効果がありました。
上位の目的が存在し、ツリー状になっていることで、「施策Dも必要では?」「施策Aのためにはタスク4が必要では?」こうして芋蔓式にやることが目の前に鮮明に現れてきた感覚でした。
つまり、組織/チームの実現したいことから、今日このときのタスクまでの、柔らかな全体像が見えていることで、おのずとありたい状態が見え、潜在的なタスクが目の前に現れたということなのだと考えています。「柔らかな」と表現しているのは、完全に精緻で緻密な絵を描こうとすることは、組織デザインやプロダクトデザインなど、不確実性の高い領域において、全体像が描けないから行動しない、という終わりの始まりにつながりかねないためです。あくまで柔らかにつなげる、つなげながらも走る、これがポイントだと考えています。
潜在的なタスクにもっとたくさん出会うには?:当事者意識を高め、様々な階層におけるありたい状態を描く
上記に示した「柔らかな全体像」が描けていても、実行するのは自分だ!と当事者意識を持てるか、持てないか、この間には大きな壁があります。
図を頭に思い浮かべながら、rootにみんなが集まる意味=ビジョンの実現を目指して走っているうちに、いくつか組織の変化を経験しました。外のイベントに出てはrootってどのような会社なのか考え、クライアントへの支援に活かすメンバーが出てきたり。自社イベント(デザすぷ)を立ち上げ育てる動きが立ち上がったり。rootさん発信やイベントで見ましたよ〜とお声がけしてもらえたり。メンバー中心に動かせる物事が確実に増えてきました。
変化のどれもが、所属する一人一人の手で、毎日小さなTRYを積み重ねることから作られていくのを目の当たりにしました。その経験から、組織、もっと言えば組織のらしさとは、その中にいる一人一人のアクションから生み出されている。自分が思ってるよりずっと、一人一人の行動で変化が起きてくるものだ、と思わされました。せっかく変化が起こせるのならばより大きく、そのためには当事者意識高く、以下の図のどの階層にも思考を巡らせた方がきっと楽しい!自分に関係のない階層などない!こう思うようになることで、よりたくさんの階層でありたい状態を描き、その分たくさんの潜在的なタスクと出会うことができたと思います。
デザイン実践=クライアントワークに応用
この方法は、色々な単位のチームに応用することができました。rootという組織全体について考えていた日々でしたが、デザイン実践=クライアントワークでも同じだ!と発見したとき、今までの自分のスタンスがいかに受け身なものであったのか気づきました。プロダクト開発チームも、目指しているビジョンや目標があり、その柔らかな全体像を描くことで、自分が求められることが把握しやすくなったと感じています。クライアントワークでの具体的なTRYは、2日後のsaasデザインアドカレで書きます!
「自分から仕事をとりにいく」とは
最初の問いに戻って振り返ってみると…
このようなある一つの見解を出し、1つのチーム/PJだけでなく、所属する様々な組織/チームでTRYすることで、より早く実践できるようになったと考えています。root自体の組織デザイン、クライアントへのデザイン支援、たくさんのバッターボックスがあったことでたくさんの具体を経験し、内省することができました。
今後も抽象的なビジョンと、日々のアクションを往復しながら、できることを増やしていき、事業や組織の成長に貢献していきたい。同じ想いの方とぜひお話ししてみたいです。
rootでは共にVision実現できる仲間を探しています!
私たちは、「Design Doing for More〜デザインの実践を個から組織・事業へ〜」をVisionに、事業の成長によりそい、デザインを実践しようとする人々を支え、世界をより良く前進させていくことを目指しています。
共に、クライアントと事業の本質(芯)を見いだしながら、事業本来の価値をユーザーに届け、デザインの根源的な力を個から組織・事業へと広げることで、世界をより良く前進させていきたいという方!
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