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つらい経験も立派な財産
高校2年生の1月、もうすぐ3年生に上がる時期に私はアキレス腱を切りました。
部活(バスケットボール部)の練習中の出来事です。
突然「バーン」という大きな音とともに倒れこみ、立てなくなってしまいました。
一体全体何が起きたのかまったく分からない。
立ち上がろうにも立ち上がれない。
痛いとか泣きたいとかそんな感情ではなくて、ただただびっくりでした。
顧問の先生におんぶをされ、救急車に乗り込み病院へ。
そのまま入院することになりました。
「入院!?嫌だ!嫌だ!嫌だ!」
自分が追い込まれた状況を信じることがまったくできなかった。
というのもアキレス腱を切った2日後に、修学旅行を控えていました。
高校での一番の思い出になるであろう楽しいイベント。
長野への1週間のスキー合宿。
絶対に行きたかった。
そして現実を受け入れられなかった最大の理由は、他にあります。
それは部活最後の大会スタートが3ヶ月後に控えていたこと。
アキレス腱断裂は、通常完治に半年以上かかるケガだとお医者さんに伝えられたときは本当に絶望しました。
しかも私はキャプテンを務めていたので、チームメイトや顧問の先生に迷惑をかけてしまうことが本当に申し訳なかったです。
「なんで私が?しかもこのタイミングで?」
病室の中で、たくさん泣きました。
なかなか前向きな気持ちになれなくて、1週間くらいぼーっとしていたのを今でも覚えています。
でも、そんな私もその後なんとか立ち直り前向きに行動することができました。
ふさぎこんでいた私が前向きになれた理由。
それは周りの人たちの優しさに触れたから。
毎日お世話をしてくれる母
お菓子を持ってお見舞いに来てくれる顧問・担任の先生
部活の様子をほぼ毎日伝えに来てくれる後輩
登校時に私のカバンを毎日教室まで持ってくれた友人
「さおりが戻ってくるまで勝ち残るから」と言ってくれるチームメイトのみんな
挙げればキリがないほどに、たくさんの人から優しさをもらいました。
みんなの優しさのおかげで、私は変われた。
ふさぎこんでた気持ちはいつの間にか飛んでいき、「絶対に最後の大会に出る」という覚悟を決め、鬼のようなリハビリを開始しました。
PT(理学療法士)さんには「また切れても知らないからね」って言われたけど(笑)
そうは言いながらも一緒に歩いたり、走ったり、階段ダッシュしてくれたPTさんには今でも一番感謝しています。
そんなこんなで長々と書きましたが…
実はケガをしてから1ヶ月半で練習にもどれました。笑
普通じゃあり得ないことが、私の体に起きたんです。
顧問の先生からも「お前はギネス記録保持者ちゃ!」と言われました😂
もちろん、元の脚力には最後まで戻りませんでしたが、
それでもコートに戻れたことが何よりうれしかったです。
それから無事に、最後の大会・試合にも出場でき、後悔なく部活動生活を終えることができました。
私にとってアキレス腱を切ったことは、高校生活、いや人生の中で一番大変だったできごとかもしれません。
ですが、そのおかげでたくさんの人の優しさに触れられたし、自分の可能性の大きさを知ることができました。
このつらかった経験は、私にとって大きな財産になっています。
いい経験ばかりが財産ではありません。
つらかった経験も、そこから学んだことも、すべてが今の私を築く大切な宝物。
これからもっと大変なことやつらいことがあるかもしれません。
でも、ずっとふさぎこんでいても始まらない。
だから落ち込む日があってもいい。
そこから立ち上がれば、きっと何だってできるはず。
諦めなければ可能性は無限大。
そう学びました。
この学びを、これからも忘れないようにしたいと思います。
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