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言葉のことばかり【非常】

身近にある非常

最近のエレベーターはタッチセンサーで、
触れただけで感知するのが多い。

これって満員の時けっこうやっかいで、
うっかりさわって止まりたくもない階に止まり
ひんしゅくを買うってことが
…まあ滅多にないんだが、

いざさわっちゃいけないとなると、
妙にさわりたくなるのも事実だ。…さらに、
このボタンがもし非常ボタンだったら
…なんて考えたりもする。

こどものころから
あの非常ボタンの誘惑には悩まされる。
押してはいけない=押したらどうなるんだろう

どうなるか、実際には見たことがないわけで、
どうにも気になってしょうがない。

消火器もそうだ。
これを使うときは火事の時だけ。
そんなことがあってはいけないわけで、
このリングは決してひっぱってはいけない。
いけないんだが、
ひっぱったらどうなるんだろう…
とむずむずむずむずする。

ハナをすすってばっかりいる人には、
かわりにおもいっきりかんでやりたくなる。
これもむずむずイライラする。
なんとも世の中は誘惑でいっぱいだ。
ストレスが溜まる。

…ってこんなことで
ストレスを溜めてどうするんだろう…。

非常ボタンのない状況

歯医者で、
歯をぐりぐりやられながら思ったのだが、
もしこの状態で
「歯医者さんが花粉症だったら…」

怖い…。
いきなりくしゃみが出たりして、
ぐあっ、痛そ~…。

「いやいや外科の方がもっと怖いでしょ」
なんて思われるかもしれないけど、
さすがに無菌状態の手術室には
花粉なんて飛んでないでしょ。

だけど歯医者くらいなら…あるかもしれない。

逆も考えられる。
患者の方が花粉症だったら…。
くしゃみが出そうだ。だけどしゃべれない。
いきなり歯医者さんの手をぐっとつかむか…。
そこまでいかなくても、
鼻が詰まっているだけでもやばいです。
…息ができません。
基本的に治療中は口からは息が吸えませんから。

歯医者とはいえ、侮れません。命がけです。

ただの妄想癖、とも言えるが、
実際世の中には「非常事態未満」ってやつが
いっぱい転がってる。

常識じゃない状態

「非常」には二つの意味がある。
「常にはあらず」ってことなので、
まあ普通じゃないことなのだが、
ひとつは、普段とは異なる思いがけないこと。
もうひとつは、普通じゃないすんごいこと。

1個目はずっと言ってた非常事態みたいなこと
2個目は「非常にでかい」みたいなこと。
「非常」って聞くと緊急なイメージを持つが、
相撲取りが非常にでかいことに緊急性はない。

まあ、ちょっとでかいくらいで
「非常に」とは言わないので、
ちょっと慌てるくらいの衝撃は必要なのかも。

この辺を取り違えると「非常口」を
やたらと大きい口、とか、
かなり変わったデザインの口だと思ってしまう。
ってそんな人いないか。
いたら非常識かもしれん。

次回の言葉は「変換」です。

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