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言葉のことばかり【その後の議論】

その日の断定

先日ちょこっと書いた
「韓国に焼き肉が普及したのは
 朝鮮戦争以前か以後か」って議論ですが、
そのときもあの「断定する男」がですね、
「韓国には朝鮮戦争以前は
 今のような焼き肉は存在しなかった」と
断定するところから闘いが始まったわけです。

そんな馬鹿な…って思うでしょ。
もちろんボクもそう思います。
彼の論拠は「アメリカ軍が持ち込んだ」
という一点だけなわけで、なんて言うか
一個とっかかりがあればいいわけです。

ハナシはそこから広がって、
隣接している日本にも中国にも
ああいうふうに「肉をただ焼くだけ」
みたいな料理はない。

両側にないのに
韓国だけに突如発生するはずがない。
あれは持ち込まれた文化である。

そこに韓国独自の「タレ」と「唐辛子」が
加わって今のコリアンバーベキューが
完成したんである。
なーんてことになるわけですね。

これに対しては「いやいや、中国には
炒(チャオ)という調理法があって、
強火での料理はごく一般的だ」
という反論があり、

「あれはあくまでも『炒める』で、
 直火ではない」なんて
また反論するわけです。

…結局これも結論には至らず
いつのまにか話題は変わってしまうわけで、
次の日には忘れてしまうという…
真実がどこにあるのか、なんて
あんまり気にしてないんですよね。

次の日の反論

で、うやむやに終わったのに、
反論担当は諦めません。
翌日、意地になって調べてきました。

なんと韓国に焼き肉が持ち込まれたのは、
元の時代らしいです。
大陸の肉食文化が入り込んだんですね。
もし神風が吹かなかったら、
日本もその時代から動物の肉を
食べるようになってた、ということですね。

考えてみれば日本と韓国って、
同じような素材を持ちながら違う料理を
作っていておもしろいですよね。

たとえば白菜の漬け物。
日本は塩で漬ける。韓国はもちろんキムチ。
とうがらしだって
日本から韓国に入ったらしいですよ最初は。

焼き肉ばかりで恐縮ですが、海苔にしても、
日本はシンプルに焼いて
味をつけるとしても醤油くらい。
韓国はごま油を塗る。ごま油なんて、
もちろん日本にだって昔からあるわけで、
だけど海苔は使わなかった。不思議です。
やっぱり真ん中に焼き肉があるから、
そうなるんですよね。
ラーメンを食べていて思ったのですが、
海苔って意外に「油」と相性がいいんです。
脂っこいタイプのラーメンほど、
海苔がおいしい。ホントですよ。

みんな論が好き

と話はまた逸れて結論はどこかへ
行ってしまうわけですが、
まあ結局楽しんでるわけで、
間違いなくこんなの議論じゃないですね。

議論、討論、論争、口論、って
いろんな言い方がありますが、

議論→ある議題について話し合う。
討論→白黒つけるために話し合う。
論争→とにかく言いたいこと言いあう。
口論→いわゆる口喧嘩。

まあこの中だと「論争」ですかね。
「争」ってほど真剣でもないんで、
ちょっと違うような気もします。

ただ話してるだけなのに、
こんないろんな種類の言い方があるって
よっぽどみんな喋るのが好きなんですねえ。

次回の言葉は「隣の特許許可局」です。


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