言葉のことばかり【再起動せよ】

理由なきトラブル

ウチのMacがトラブっていた。
言い方が過去形なのは、
なんとか復旧したからだ。

ある日突然、
理由もなくネットにつながんなくなった。
いや、たぶんちゃんと理由はあるんだろうが、
少なくともボクにはまったくわかんなかった。

理由がわかんない、ということは、
対処しようがないってことで、
まあとにかく、
手当たり次第、マニュアルなんかを見ながら
必死にいろいろイジクった。

こういうケースではほとんどの場合、
やればやるほど、
取り返しのつかないゾーンへと落ち込んでいく。

ひょっとしたら、ちょっとしたことで
復旧したかも知れないモノが、いじることで、
また違うトラブルを産んでしまうからだ。

言うならば、グレた子供に、
グレた理由も聞かずにいきなり叱りつけたら、
さらにグレてしまった。…ようなものだ。

理由なき復旧

ところが…だ。
いきなり直ってしまった。
なんで壊れたのかがわかんない、
というのもナニだが、
なんで直ったのかわかんない
…ってのは、さらにすごい。

いろいろやったのだが、
思い当たる処方としては、
一回電源を切って入れ直した…ためらしい。

もちろん、それまでにも
なんども再起動はしているわけで、
そんときはなんにも起こらなかったのだが、
なにかをやってから、
再起動したことがよかったらしい…。
それがナニなのかはよくわからない。

まあ、言ってみれば、
いきなり平手打ちをしても立ち直らなかった
ヤツに一回肩を揺すってから、
げんこつ食らわしたら急に目覚めた

…ようなものだろうか。

再起動、っと

人間は再起動できるか

歳をとったからなのか、
なんでも人に例えて考えてしまう傾向がある。

機械は自分に
人格があるなんて思ってないから
気まぐれで治ったり治らなかったりする
なんてことはない。

あ「治る」じゃなくて「直る」ね。
病気じゃないんだから。

最近は機械も自分で考えたりするようだから
そのうちもっとややこしいことに
なりそうではある。

逆に人間に機械的な潔さを求める手はあるか。

人間が再起動できるか、ということだが。

「再起を促す」という言葉はあるけど、
これにはすでにどん底に落ちている必要がある。
機械で言うならもう結構前から壊れている。

再起動がちょっと違うのは、
壊れてるのかどうかわからない状態で
自ら一回シャットダウンするというところ。
壊れてないのに自分を壊すみたいな。

人間はなかなかこの勇気が持てない。

「いや、まだなんとかなる。
　悪いのは自分じゃないくて世の中だから」
なんてウジウジする。

再起動は自分ではできない。
誰かにやってもらわないと。

誰だ？
神か？

誰かが自分の再起動ボタン押す
なんて考えたらやっぱり嫌だよね。

人間の再起動は再起＋動

あと、再起動は「元の状態に戻す」
ことが目的だが、
人間は欲張りで元よりいい状態じゃないと
満足しないところがある。

うまくいかないから会社辞めた。
新しい会社に入って再起動だ。

って言うこともあるけど、
これが元の会社と同じレベルだと
起動した感じにはならないもんな。

再起はするけど動くのはその後。
再起と動がくっついてないんだよね。

やっぱり人間は機械ほど潔くないし、
なんかめんどくさい。

次回の言葉は「魔法使い」です。

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