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好きな色が似合う色とは限らない

髭について

金髪にしてみたい。
…と思ったことは一度もないが、
ヒゲというものをのばしてみたい。
というのは若いころから思っていて、
試したりもしていたんだが、

のびないんである。
普段でも3日に一回剃ればいいくらいで、
それはそれで非常にラクでいいんだが。

人間、できないことに惹かれる。
ちょっとあこがれてたのかもしれない。

で、ある年思い切って、夏休みのあいだ
ずっと剃らないってのをやってみた。
ちょっと伸びた。
とはいえ決してみっともいい感じではない。

ひょろひょろと伸びてはきているが、
なんつっても「まばら」なんである。
手入れの悪い庭の雑草みたいな状態だった。
あーもー、むしっちゃえよ。うっとーしーからー
って状態だ。

周りの人の反応は特になく
「あ、こいつひげのばしてやんの」
って顔してるように見えた。

本気で止めるひとがいないところを見ると、
まあ悪くもないのかなと思いそのままにした。
周りもまだ本気だとは思っていない気配もある。
まあ、応援してくれるヒトが
誰もいないのも事実だが…。

あ、ひとりだけ「ちょっとやせて見える」
と言ったヒトがいたな。

異常と日常

これがもう20年以上前の話だ。
始まりはいい加減だったが
続けてると当たり前になるもんである。
「異常も日々続くと正常になる」って名コピー
あったな。戦場のメリークリスマス。
「勘違いも日々続くと日常になる」

なんだかんだで今でもヒゲはあるのだが、
さしてその頃のひょろひょろと変わりもせず、
それでもあって当たり前、にはなっている。
不思議なもんである。眼鏡もそうだな。

今ヒゲとメガネを取ったら「足りない」になる。
日々続いた日常というのは恐ろしいものだ。

とあるおじさんが、
やっぱりいきなりひげをのばしはじめて、
それが、すけべオヤジっぽくて
どう見てもやめたほうがいい
っていう感じだったのだが、本人は
「いやー、飲みに行っても、
 女の子にも評判いいんだよねえ」
なんて言っていた。
そりゃ彼女たちもお仕事だから…。

ご満悦な彼に、僕らは誰も
真実を伝えることができなかったのだ。
(暗に匂わせたりしたが、気づく由もなかった)
ネコのクビに誰も鈴をつけられない。
というハナシを思い出したりした。

服を買うときも
自分がいいと思う服と、自分が似合う服、
同じわけはないんだけど
やっぱり好きな方を選んでしまうから、
結局似合わなくて着なくなることも多い。

これも何年も続ければ日常になるんだろうがな。

次回の言葉は「色気」です。


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