見出し画像

言葉のことばかり【いじる】

いじりの未来

朝、道を歩いていたら、
おじいさんが庭いじりをしていた。
楽しそう、というよりは、なんだか
やることがなくてやってるように見えた。

自分が歳とったら何やって
ヒマをつぶすんだろう…と考えた。
やっぱりパソコンいじりだろう…。
パソコン老人だ。

スマホいじりは趣味にならない。
生活感が強すぎるからか。
あれは虚無すぎる。

そうこうしてるうちに
オレみたいなタイプの老人が
いっぱいいる時代になるだろうから、
パソコンいじりは
老後の代名詞になるのかもしれない。
盆栽に取って代わるかもね。

なんの目的もなく、
パソコンの前に座るわけだ。
…しかも早朝から。

だけどパソコンいじりは、
庭いじりや盆栽や釣りに比べると不健康だ。

せめて陽に当たった方がいいですよ。
おじいちゃん。ってことになり、
メーカーは老人向け、
屋外用パソコンを出すことになる。
ちっちゃい文字は見えないから、
モニタの文字や、キーボードがやたら大きい
らくらくパソコン(らくパソ)
というのが大ヒットする。

メールもブログもやるが、
ちょっとボケてるから意味がわからない。
文字化けならぬ、
文字ボケというコトバが
流行語大賞になったりする。

そんなあまり遠くない未来を考えた。
未来の自分いじりだな。

いじりの将来

「いじる」という言葉、最近は印象が悪い。

庭いじりみたいにもともと
手でもてあそぶ、みたいなことだから
別に悪いことでもないはずなのだが、
ここから「からかう」的に発展して、
人に対して嫌なことをするみたいな使い方が
いつの間にか主流になった。

別に最近変化したわけじゃなくて
昔からそういう使い方はあったのだが
今どきはそっちにしか聞こえなくなって
爺さんの庭いじりがまるで
庭をいじめてるみたいに聞こえてしまう。

そうそう。
「いじり」と「いじめ」が似てるのも
その原因としてはある。

いじるは弄る。いじめは虐め、苛め。
字が違うのにな。

とはいえ語感が近いのは
ニュアンスが近いってことかもしれない。

いじいじする。とか、いじける。とか、
いじましい。とか、みんなネガティブ。
近い語感のものにろくなのがない。
あ、いじましい。はちょっとだけポジか。

このへんの言葉に漢字はない。
オノマトペっぽいのかな。
なんか下向いて
くねくねしてる動きが浮かぶ。

オタクっぽい自分からすると
そんな悪いことじゃないのになと思う。
自分の手の中で一人で何かをやる、作る。
そうか。自分じゃないものを
いじるからめんどくさくなるってことか。

いじりは手の中で完結しよう。

なんか変な提案になってしまった。

次回の言葉は「いい天気」です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?