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言葉のことばかり【変換】

ある日の朝

目が覚めたら雨が降っていた。
ぼーっとしながら
最初にアタマに浮かんだコトバは
『だめだな…雨だな…』。

特に何がダメってわけでもないんだが。

なんだか歌謡曲のタイトルみたいだ。
それも昔の男子アイドル系、
しかもメロディ暗め、な感じ。

これが『だめだね…雨だね…』
になると演歌系になる。

この場合は、やっぱり男子で年齢若め。
昔はこういう系の演歌を歌う
若い歌手がけっこういた。

歌詞は
「♪やっとかわした約束なのに~
 窓の向こうは今日も雨…」てな感じか。

そんなことをぼーっとした
アタマで考えていたら、くしゃみが出た。

そのとき浮かんだコトバ
『恋、花、水、それは風』
…本当の意味は『濃い鼻水、それはカゼ』。
ほとんど誤変換だ。

誤変換を愛する

誤変換と言えば
「仮編試写(CMの仮の編集の試写です)」
と打ったら「仮変死者」になった。

死んでるのか死んでないのか、
どうもはっきりしない…。
まあ、こういうのは
誤変換とは言えないですね本当は。
専門用語なんで…。

最近は変換もやたら進化してるので、
便利なのは間違いないがちょっとつまらない。
AIの効果だろうか、固有名詞も大概いける。

「ごはんがススムくん」もちゃんとススムだし
「Official髭男dism」も一発で出る。
今どきはこれが便利だということすら
もう意識してないのかもしれない。

昔、「新三共胃腸薬」が
「辛酸驚異跳躍」になったのを
ちょいと懐かしく思い出しました。

こういう楽しみが減っていくのは
ちょっとさびしいような気もする。

あと、予測変換ってのが機能しすぎて
いま「気もする」って打ったら
「キモする」って出た。

前に「キモ」って書いたんだなきっと。
覚えてないけど。

変換の意味

そもそもこの「変換」って言葉、
日常的に使うしわかんない人なんていない。
だけど考えると文字の変換以外での
使い道って意外に思いつかない。

ある事柄・事態がそっくり
別の事柄・事態に変わること。
ってことらしい。(日本国語大辞典)

交換はよく使う。
「僕のりんごを君のみかんと交換して」
とは言うけど、
「僕のりんごを君のみかんに変換して」
これは魔法でも使わないと無理だ。
普通は使えないので変換はできない。

そう考えると文字の変換も魔法っぽい。
キータッチひとつで変わるもんな。

そういえば「PDFに変換して送って」
みたいなのはよくあるな。
これも子供の頃の自分に見せたら魔法だろう。

もともとは数学や理科っぽい言葉かもしれん。
「直流を交流に変換」「座標の変換」…。

知らないだけでもっといっぱい
使い道あるのかもしれないけど、
なんとなく「さわれないもの」な感じ。

そう思うとなんか現実感のない
バーチャルというか、
雨の日の夢の中の話みたいな気が
しないでもない。

次回の言葉は「サンドイッチ」です。


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