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言葉のことばかり【突っ込む】

ツッコミの技

ヒトはどういうときに笑うのか。
これがわかれば苦労はないのだが
(なんの苦労だ?)

ひとつだけわかっていることがある。
同じギャグでも「ツッコミ」があると笑う。
なかったらたぶん笑っていない。

ヒトは笑う「きっかけ」を必要としている。

実は笑うときって
無意識にまわりを観察している。
ツッコミがきっかけをくれて
ごく自然に笑いの波に乗ることができる。
もちろん自分だけ先走って笑っちゃう
ってこともあるが。

日常会話でもこういう「ツッコミ役」の
ヒトがいるとすごくラクである。
会話はポンポンとはずむ。
これは自分の能力よりも、
ツッコミ役のヒトの功績が大きい。

アメリカのホームコメディには
意外なツッコミ技が存在する。
途中で入る「笑い声」だ。

ここで笑うんだということを
見ているヒトに教える。
「はい、今笑うとこですよ」って。
あれもたぶん、笑い声がなかったら笑えない。

突っ込むは多彩

考えてみるとこの「ツッコミ」って
本来の「突っ込む」という言葉の意味とは
ちょっとズレてる感じもする。

「突っ込む」の意味はすごく多彩で、

つっ‐こ・む【突っ込む】[動マ五(四)]《「つきこむ」の音変化》

勢いよく中へ入る。突入する。また、勢いよく入れる。「走者が本塁に―・む」「バケツに手を―・む」 内面にまで深く入り込む。「労使の―・んだ話し合い」㋑相手の弱みなどを鋭く追及する。「あいまいな説明をして野党に―・まれる」㋒漫才で、話題を切り出して相方の応答を促す。「打ち合わせどおりに―・む」→突っ込み  強くさし込む。突き入れる。「端子にプラグを―・む」「泥田に足を―・む」  無造作に入れる。「汚れ物を押し入れに―・む」「ポケットに手を―・む」  深く関係をもつ。「社内人事に首を―・む」 全部のものを一緒に含めて考える。「中古品も新品も―・んで値をつける」

デジタル大辞林より

いきなり「突っ込むって何」と言われたら
1の「勢いよく中に入る」だと思う。
突っ込むの「突」のイメージがそうだから。

だけど意外に
「勢いがないパターン」がいっぱいある。

「突っ込んだ話し合い」とか、
「人事に首を突っ込む」とか、
「ポケットに全部突っ込む」とか、

突然じゃない。深かったり、量が多かったり、
突っ込んだその先の話をしてるものが多い。

「ツッコミ」はその中で
いろんな要素の中から「鋭く選んで切り込む」
みたいな感覚があってもちろん勢いはあるけど
またちょっと違う気もする。
中に入り込んでるんだけど、それより
跳ね返すニュアンスが強い。なんか不思議。

なんかわからないまんま勢いで突っ走って
妙に難解な話になってしまった。(どこがじゃ!)

今のが自虐系セルフツッコミです。

次回の言葉は「面接」です。

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