『日本の分水嶺』
2020年6月〜9月掲載(文:小間物屋ぴょん田 飛田文子)
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降り落ちたひと粒の雨は、どこの海に旅するのかな。
「『国境の長いトンネルを抜けると雪国であった』これは分水嶺の本質を一行に凝縮した、名人芸ともいえる文章」と分水嶺ハンターな著者。 日本列島を貫く大分水嶺を、小さな話を添えて紹介していて興味が広がります。
雪にあこがれて、日本海側に住みに行った私の学生時代、「今夜花火やろう!」って日に雨が降れば、ひと走り(車)太平洋側へ。 峠を越えるとちゃんと晴れていて、花火して帰るなんて無茶もした。
相変わらず雪に未練がある私と、あたたかい瀬戸内あたりに行きたい夫。 それでは山陰と山陽の境目を旅してみようと、私の本棚に積ん読してあった「日本の分水嶺」を持って旅に出た。 (登山はしません、ドライブです)(山陽であっても境目は寒そうだが)
本をたよりに分水嶺の看板をみつけながらロードマップにポインティングしてみる。 右足と左足で跨いで雨降ってきたら楽しいな、とか思う。 分水嶺ファンは実際、水筒の水を流してみるらしい。
鳥取と岡山は、ほぼ県境に沿っているけれど、島根と広島は、広島側に大きく入り込んでいる。 瀬戸内海に面した三原市の一部に降った雨が長い道のりを経て日本海に注ぐという場所もあった。 兵庫には本州でいちばん標高の低い95mの分水嶺があり「分水嶺ハンターでなくとも一度は訪れたい場所」と著者。 気になる場所の拾い読みだけでも是非。
そして自分の家から流した水はどこの川を通っていくのかも気になります。 家は山の小さな集落にあり、お風呂や台所からの排水は直接目の前の川に注ぐことは認識していました。 地図を辿ると、山を下り宇陀川に入り、なんと東に、里の市方面に向かった。 名張川~木津川~淀川~やっと大阪湾へ。 淀川の水がおいしいかどうかに直接関わっていたんだなあ。
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