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反論をいただいたので、少しコメントしました


以前に書いたnote「来年の9月7日から、日本の本当の下り坂が始まる」について、反論とご指摘をいただいたので、少しコメントします。


まずはご意見、ご指摘、ありがとうございました。

本「明日のプランニング」や「ファンベース」を書いたときも、初稿を多くの若い人たちに読んでもらい、厳しいダメ出しをもらい、推敲を重ねて今の形になっています。

ご指摘は常にありがたいです。

ただ、バットを持って今にも乱暴するような男のタイトル画像で、しかも文章冒頭に「データという棍棒で殴ります」とか、初対面なのになんだか穏やかじゃないですね。

意識的にウソを書いたのならともかく、引用データを元にコラムで意見を述べただけで、なんでこんな脅しっぽいのを受けないといけないのでしょう、とは思いました。


・・・それはともかく、あまり時間がないので本題に入ります。

主張なさっている「データ」について、異論も反論もありません。
なるほど、と思いました。
ご指摘ありがとうございました。

ボクはあの投稿において、それなりのメディア(週刊現代、週刊朝日、講談社現代新書)を引用元に選び、それを元に論を組み立てました。

その「信用したソース」が(間違ってはいないけど)実はちょっと古かったりしたこと(たとえば人口減についての週刊現代のグラフ)は確認ミスです。

5年の違いなので大きな数字の差はでていないと思いますが、結果的に最新データが引用できなかったのは確かですし、気になる方がいらっしゃるなら申し訳ないと思います。


ただ、ひとつ、コメントさせてください。

あのnoteには、明確に「伝えたい相手」がいます。

それは、「現状から目を背け、もしくは見ない振りをして、いままでのやり方を変えようとしない人たち」です。

そういう人はまだまだたくさんいると感じています。
これはデータではありません。いろいろなところで仕事したり講演したりして肌で感じた実感です。

中年以降の方にわりと多く見られます。
特に50歳以上の人に多く見られます。
ボクも58歳なので同類です。この辺の年代から上の人たちは、昭和や平成初期の成功体験がカラダに染みついていますから。

そういう人たちに(ボクなりの自戒を込めて)強い警鐘を鳴らそうとしているのが、あのちっぽけな文章の目的です。

なぜなら、ボクは国民みんながこの現実を直視し共有し、(特に日本のトップ層にいる人々が)いままでの成功体験を捨て、やり方を変えていかないと、日本は本当に危ないという危機感を強く持っているからです。

(書き忘れたので追記)
そして、そういう方々は、過去の成功体験が強すぎて、「ま、そうは言ってもなんとかなるだろう」と、そういう危機感に耳を貸しません。既得権益も強すぎてなかなかシステムを変革しようとしません。
(追記ここまで)

だから、あのコラムでは、一番衝撃的に見える「平均値」を使いました。

そう、40年で4000万人減る、というのを平均して、「1年で100万人減る」と計算し、より強い警鐘にしました
(↑このデータが5年古い、というのは理解しています)。

そしてそれは、「伝えたい相手により強く伝えるための方策」だと思っています。そこはご理解いただきたいと思います。


ちなみに、明確に「伝えたい相手」がいる文章だけに、そうでない人、たとえばとっくに危機感がある人にとっては、あの文章は「こいつ、いまさら何言ってんだ」ということになります

実際、そういう反応も多々ありましたし、まぁそう言われても仕方ないな、と思って見てました。だって既知のことばかりでしょうから。

また、オリンピック・パラリンピックなんて、そんなの東京だけのお祭りだ、という人には「そもそも盛り上がってなんかいねえよ」ということになるでしょう

ボクも大阪に15年勤めていたので、東京の外からの見え方はわかるつもりです。実際にそういう感想もそれなりにありました。

でも、「現状から目を背けて、いままでのやり方を変えようとしない人」にとって、まだまだそういう危機感は共有されていないし、オリパラだって「まだまだいままで通りのやり方が通じる、経済効果の高い大イベント」なのです

だから、そういう人たちに対して、「閉会式後はさすがに潮目が変わると思うよ」「もっともっと危機感を持たないとヤバイと思うよ」「やり方・考え方を急いで変えていく必要があるよ」ということを強く伝えたいと思って、来年の9/7という日をフックに、ボクの主観として書いたのがあの文章になります。

その辺の文章の意図はご理解いただきたいと思います。


・・・すで長いうえに急いで書いているのでぐじゃぐじゃになってきました。先を急ぎます。

「ウルトラ高齢社会」については、ひとつ間違いがありました。

「人口は増えるけど、税金を払う人が減るので、水道や下水などのインフラがもたなくなると言われている」という部分です。

これは『縮小ニッポンの衝撃』というNHKスペシャル取材班が書いた本で「東京は人口が増えていくのに、豊島区は破綻する」という記事があり、それをうろ覚えのまま一般化して書きました。人口は増えるけど老人も増えるから税収が減り、逆に社会保障費などが増え・・・と覚えていたからです。

実際に今調べたところ、豊島区も人口が減り、その結果、「住民税などによる税収が少なくなる一方で、高齢化に伴い社会保障費が増大する」ので破綻する、とのこと。
この辺は訂正し追記しておきたいと思います。ご指摘ありがとうございました。

また、人生100年時代、の部分ですが、これは実感をもとに書いています。
実感をもとにコラムを書くことは許していただきたいと思います。

ボクもそれなりの年齢になってしまったこともあり、若い人たちに比べて周りに高齢者がたくさんいます。

「人生100年時代」という言葉を聞いて財布の紐を締め始めたシニアの人たちが周りにたくさんいます。
うちの親も親戚も、例の老後2000万円問題も含めて、急に生活を質素に変えました。

なので、「財布の紐を締め始めた」というのについてはデータではなく、ボクの実感です。
たとえコラムにおいてでも、それもデータで書くべきだ、というのであれば、それは文章の方向性と目的の相違です。


「2035年に人口の半分が独身になり、結婚や子育てというライフステージの変化による新しい需要がなくなる」という主張について。

ソロ大国になる(すでにそうである)、という事実は実はまだ世間ではあまり知られていないとボクは思います。

確かに急にそうなるわけではありませんが、その道を着実に歩んでいます。そのことを多くの人に知って欲しいし、強く注意喚起したいと思いました。

ただ、「新しい需要がなくなる」というのは言い過ぎというか筆が滑ってますね。
「新しい需要がこれからも減り続ける」という言い方に変えた方がいいですね。ご指摘ありがとうございました。


「東京オリンピック閉会式の翌日から「祭りのあと」がやってくる」への反論ついて。

ボクは大阪勤務を15年していたので、おっしゃる意味はよくわかります。

ただ、東京→大阪→東京と転勤した分、経済やメディアも含めあらゆることが東京偏重になっていることも逆に痛いほど知っています。

メディアのお祭り騒ぎや五輪特需などが、オリパラ期間中にその東京偏重の状況で起こることは確かで、その後、東京偏重のまま「祭りのあと」がやってくる、とボクは思うので、主観でそう書きました。
コラムなので許していただけたらと思います。


最後に、何十年と生きてきた人生の先輩が課題を解決せずに「上がった」つもりになって「下りよう」と表現するとは一体、どういう考え方なんだ。について。

「現状から目を背けて、いままでのやり方を変えようとしない人」に警鐘を鳴らす目的だったので、下り坂とかイヤな言葉を書きました。

ただ、ネガを書きっぱなしにするつもりもありません。
そういう時代の課題解決についてのボクの考えは、1年半前に出した「ファンベース」という本で詳細に書いています(ビジネス分野ですが)。

なので、個人的には、「下り坂」と言いっぱなして終わりではなく、「どうやったらそういう時代を乗り切れるか」を、世の中に発信し続けているつもりです(そのやり方が正解かどうかはまた別の話ですが)。

それについては、わかっていただかなくても結構ですが、最後に触れさせていただきました。


ということで、長々と失礼しました。

今後ともよろしくお願いします。


古めの喫茶店(ただし禁煙)で文章を書くのが好きです。いただいたサポートは美味しいコーヒー代に使わせていただき、ゆっくりと文章を練りたいと思います。ありがとうございます。