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闘アレ生活(2) 〜麺類がNGなのはマジきっつい篇

57歳のある日、いままでアレルギーなどひとつもなかったボクが、突然アニサキス・アレルギーになった。そして、ほとんどすべての魚介類が食べられなくなった。いまは魚系のダシやエキスまで避けている。
そういう生活とはいったいどういう感じなのか、ちょっとだけリアルに知ってもらうために、ちょぼちょぼ書いてくシリーズです。
「闘アレ生活」の過去ログや他記事はこちら


さて、アレルギーと闘う生活を少しずつ書いていこうと思う。

あなただって、いつ成人食物アレルギーになるかわからない(ボクだって青天の霹靂だった)。
闘アレのリアルな現実を知っておくことは損ではない。

というか、「これからのリーダーに必要なのはマイノリティの経験だ」って誰かも言ってたぞ(誰だったかな)。

まぁリーダーがどうとかどうでもいいけど、成人食物アレルギー患者というマイノリティの中でも特に超マイノリティな「アニサキス・アレルギー」になってしまった人間が、いったいどういう毎日を送っているのか、それを知ることは、あなたの世の中の見方を少しだけ広げるかもしれない。


ということで始めよう。

序章はこちら。
なぜこういうことになったかを書いてます。


実はアレルギーになったときに遡って時系列で書いていこうかと思っていたのだけど、そんなことやってると長編小説みたいになり、読んでいるアナタも飽きちゃうだろう。

なので、その日の気分で、闘アレの毎日を「小分けして」お届けしてみたいと思う。



今回は「麺類がNGだとマジきっつい」篇である。

うどんや蕎麦やラーメンが食べられないとはどういうことなのか・・・

これについては、小麦アレルギーの方は日々直面しているし、蕎麦アレルギーや卵アレルギーの方もつらい思いをしてると思う。麺自体が食べられないのは本当につらいと思う。

ボクは、麺は食べられる。
だから、家とかで茹でさえすれば、麺を食べる快感は味わえる。

ただ、アニサキス・アレルギーだと、魚からとったダシやエキスがNGになる。アニサキスの中のアレルギー成分が溶け出している可能性があるからだ。

そうなると、汁やスープがNGになる(かつおダシが多いからね)。
そのうえ、めんつゆもNGになる(かつおダシ入れてるからね)。
さらに、隠し味もNGなのだ(ちょっとかつおダシ混ぜたり本だし入れたりしてる場合も多いからね)。

昆布ダシとかしいたけダシなら大丈夫なので、家で食べることはこれまた可能だ。でも外食だと難しい。ほとんどのお店で「かつおダシ」や「いりこだし」を使っている。


ボクがそんなに麺類好きでないならまだしも、ボクはある時期「麺類イノチ!」的に生きていた。

蕎麦は自分で打つくらいは好きだったし、いくらでもウンチク親父になれるくらいはくわしい。

さぬきうどんは、まだブームになる前の1998年に『うまひゃひゃさぬきうどん』というふざけた題名の本を書いたくらいは好きだ。大好きだ。その辺のさぬきうどん好きを蹴散らすくらいは好きだ。


そして、『胃袋で感じた沖縄』(その文庫化が『沖縄やぎ地獄』)という本を書くために、沖縄そばを100軒近く食べたのが1999年くらいか。
沖縄そばも愛してる。あのぶにゃぶにゃ麺の秘密もよく知っている。

さらに、『極楽おいしい二泊三日』という本を書くために、伊勢うどんは20軒くらい集中的に食べたし、博多うどんも名店を食べ歩いたし、大阪うどんや肉吸いなども当然のように食べまくっている。その他のご当地うどんも日本全国だいたい食べた。
名古屋の味噌煮込みうどんきしめんも一時期そのためだけに通ったし、広島つけ麺や岩手の冷麺なんかもいろいろ教えてもらいながら食べ歩いた。長崎ちゃんぽん皿うどんも大好きで食べまくって比較した。

ラーメンについてはくわしい人が多いので少し遠慮しながらだけど、まぁ人が名店と呼ぶ店はわりと行ったと思う。
ついでに言うとカップ麺もほとんど無理。海老とかエキスが入ってるんだよなぁ。。。


つまり、汁やスープやめんつゆや隠し味がNGになるということは、そういう素晴らしくおいしい麺類たちを、ほとんどすべて失うということなのである

なんと悲しいことか。

悲しいというか、なんか自分の舌に溜まった経験値がもったいなさすぎるわ・・・



正確に言うと、さぬきうどんの定番である「生醤油うどん」はOKだ。
醤油で食べるからである(それがダシ醤油でなければ)。
ただ、問題は、ボクが舌が肥えてしまっていること。作り置きの死んだような麺を出す店だと発狂して暴れかねないw

※※
ラーメンも、とんこつラーメンとか、魚介を使用していないスープのものはある。
でも、いまどきのラーメンって、魚介ダシブームやダブルスープブームがあったこともあり、隠し味で魚介スープを入れたり、うまみを出すためにかつおダシを使ったりする店は普通に多い。
そして、そのラーメンに魚介を使っているかどうか、お店に確認しても教えてくれないことも多く(スープは企業秘密とかなんとか)(というか把握してないアルバイトが厨房に多い)、危険を考えるととても食べられない。

※※※
あとは、蕎麦をめんつゆにつけず、塩で食べる、とかもあり得るんだけど、なんというか楽しくないし、なんかウンチク親父を通り越してイヤミだw

※※※※
敢えて言うと、焼きそば系は弱い。ちゃんと食べ歩いていない。今になって後悔してる。
ちなみに焼きそばは、ソースの成分にエキスが入っていることがわりとあって危ない。しかも確実に鰹節が振ってある。



さて。
続けて、特に昼メシにおいては、「スピード重視」というシチュエーションが多い。

忙しいときササッと食べられるうどん・蕎麦・ラーメンは、昼メシ時の救世主である。

駅そばは特に便利だし、富士そばなどに代表される街のファスト麺類も多忙時の味方だ。点在する街場のラーメン屋も頼もしいし、日高屋とかのチェーンや大衆食堂のラーメンも有り難い。最近はセルフ系のうどん屋も増えたのでサッと利用できる。


そういう店にも、すべて行けない
のである。
昼メシの選択肢に入れられない。
(ちょこっと小腹が空いたときも、駅そばとか食べられない泣)



ここからはあなたの想像力に訴えたいのだけど、いざランチ時に街でひとりになったとき、うどん・蕎麦・ラーメンという選択肢を失った自分を想像してみてほしい

特にちょっと急いでいるとき。

どうですか?
どうします?


いやね、これはね、本当に途方に暮れるのである。

「いったいオレは何を食べればいいんだ・・・食べられるものがないじゃないか・・・」

ちょっと頭から血が下がる。


ん?
はいはい、そうですね。
他にもたくさん選択肢はある。

でもね、よく考えていくと、どんどん選択肢が狭まってくる。

鮨はダメ、魚定食系はダメ、和食系ランチはダメ、東南アジア系ランチはダメ、中国料理店は危ない、有名チェーン店も危ない、コンビニでの食材も危ない・・・


じ、実に食べる物がない。

その苦悩については、またこのシリーズで書いていこうと思う。


ああ、それにしても、たまにかつおダシの効いた蕎麦とか、臭いほどいりこダシが効いたうどんとか、マジで食べたくなるなぁ。。。


と、言っても仕方ないことを嘆いたところで、また次回。



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古めの喫茶店(ただし禁煙)で文章を書くのが好きです。いただいたサポートは美味しいコーヒー代に使わせていただき、ゆっくりと文章を練りたいと思います。ありがとうございます。

ありがとうございます!じっくりじんわり書いていきます。
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コミュニケーション・ディレクターです。 さとなお名義で食やエッセイの本、佐藤尚之名義で広告関係の本を書いています。最新刊は『ファンベース』(ちくま新書)。 1995年から個人サイト「さとなお.com」を運営しています。