見出し画像

プロセスエコノミー あなたの物語が価値になる

【今日の読書旅】Day 156

プロセスエコノミー
あなたの物語が価値になる
尾原和啓 著 幻冬舎 2021年


今、良いものを作るだけではモノが売れない時代になった。


インターネットによって一瞬で情報が行き渡り、一瞬でコピーできるようになったので、どれもこれも似たり寄ったりの機能、性能になりやすい。


人もモノも埋もれる時代の新しい稼ぎ方が、「プロセスエコノミー」(プロセス自体を売る)

プロセスエコノミーがコピーできないモノ。

自分のこだわりを追求する姿、様々な障壁を乗り越えながらモノを生み出すドラマはその瞬間にしか立ち会えないモノ。

だとすると、

『THE FIRST TAKE』『Nizi Project』『東京オリンピック2020』も、プロセスエコノミーなのかなと。


アウトプットの価値は「無料」へ。

これからは、予測不可能なプロセスが1番の果実になる。

しくじりこそが共感をうむ。


※プロセスエコノミーは、クリエイターの制作現場をライブ配信する「0:00 Studio」を立ち上げた「けんすう」さんが初めて言語化したもの


❶[3セレクト]

①物体そのものがなくなる未来


成果物によってお金を稼げなくなることをDemonetized(非収益化)という。
それに対して成果物(物体)そのものがなくなってしまうことをDematerialized(非物質化)という。

わざわざカメラやフィルムを持ち歩かなくても、iPhoneがカメラの基礎的な機能を提供してくれる。ラジオを持ち歩かなくても、スタンドエフエムやボイシーなどのソフトウェアによって、ハードウェアがなければラジオは聴けないという課題は解決できている。

今までは動画を編集するにしても、生産コストがかかっていたけれど、今はお金を払わなくても、「私がやりたい!」と自主的に手をあげて作業してくれる人が出てくる。


今後、あらゆる生産コストは一気に下がり、2035年〜2040年にはアウトプット(成果物)の売買だけの経済は終わりを迎える。


テクノロジーとイノベーションによって、時代はエクスポネンシャル(指数関数的)に、つまり、グイグイ加速するように激変していく。


その激変を指をくわえて傍観するのではなく、時代の変化を見越して行動を先取りしていく「エクスポネンシャル思考」が必要になる。


②プロセスエコノミー3つのメリット


1つ目:アウトプットを出す前からお金が入る可能性がある
1年かかる制作物をクリエイターが出す場合、1年無報酬になる。知名度がないと大変だ。さらに、アウトプットが売れるかどうかもわからない。1年かけて作ったけど、全くお金が入らないいということが起こりうるが、プロセス課金できると、大きなチャレンジをする際に、それ自体を応援する人がいれば、生活を少し安定させるのも可能。


2つ目:寂しさの解消
クリエイターなどは、一人で作業をすることも多く、孤独感がある。なので、少しでも誰かと繋がっているのを感じたいというのがあったりする。プロセスを発信したり、ライブ配信をしたりすることで、少しでもみてもらったりコメントをしてもらえるだけで、だいぶやわらぐ。


3つ目:長期的なファンを増やせるかも
最終的なアウトプットがだいたい同じなら、より感情移入している方が勝つ。何か作品を出したときに、シェアしてくれたり、広げてくれたり、買ってくれたりする可能性も高くなる。プロセスから知っているので、アウトプットされたコンテンツを一瞬で消費して忘れるということはない。


プロセスエコノミーでは、”初期のファン”をつくったり、熱のあるコミュニティを拡大したりすることが求められる。


プロセスに価値をのせるには、作り手がそこにストーリーを込めたり、なぜやるか(Why)という哲学を示すことが大切になる。


③アウトサイド・インかインサイド・アウトか

・アウトサイド・イン:売り上げや利益、目標といった結果から「勝利への逆算」を考える思考様式。
・インサイド・アウト:自分の内面から湧き起こる衝動を起点とする考え方。


モノ作りもサービスも、「アウトサイド・イン型」から「インサイド・アウト型」に変わってきている。


新しいPain(困りごと)を探して解決するアウトサイド・イン型の商品が、ユーザーの心に刺さりにくくなってきている。

物質的に満たされた成熟社会では、インサイド・アウト型の商品の方が売りやすくなってきている。

生きていく上で必須ではないけれど、より人生を豊にしてくれるものに人は魅力を感じるようになっている。

ただ、注意したいのは、いきなり自分の「好き」を押し付けるのではなく、ボクシングのスパーリングをやるような感覚でコミュニケーションしてみることが大切になる。


プロセスを公開し、反応をみながら変えていくことは、激動の時代には邪道でも何でもない。途中で方針を変更することを前提とした修正主義こそ、決められた正解のない時代の歩き方。


+1:「Why」の価値・プロセスの肥大化


プロセスエコノミーにもデメリットがある。プロセスの段階で、期待に流されてしまうこと。


本の中では、「プロセスに操られる」と表現されている。

これは、SNS時代にはとても大切なことで、「もっと反応を得るために」と自分の内面にある「Why」からずれていってしまうことが起こりうるので、気をつけてほしいという。プロセスに操られないためには、私たちの中にある「Why」(なぜやるか・哲学・こだわり)をさらけ出すこと。


短期的に見て、プロセス「だけ」にフォーカスするのは、資金も注目も効率よく集められていいけれど、長期でみると、破綻の道になる。


自分のモノサシを持って、理想と現実のギャップを直視し、地道に埋めていくことが大切。

”人々は、「What」(アウトプット)にオカネを払うわけではない。「Why」にオカネを払うのだ”(サイモン・シネック)


✳︎プロセスエコノミーの事例として、
ジャニーズ事務所、BTS、ザッポス、アップル、clubhouse、「北欧、暮らしの道具店」、「みんなで作り上げるスマホ」が紹介されている。


❷[マイエピソード]

 もともと私たちの内側にあるものが価値になる。今まで見えなかった影の努力にもスポットライトがあたる。という時代には、誰もが平等に売れるチャンスがあるように思う。
モノに溢れる時代の終焉が、わたしたち一人一人が、無垢の自分の価値を思い出すきっかけになり、経験を価値に変えるきっかけになっていくと思う。とても良い時代。


❸[今日からのアクション]


ちょうど、ビジネスプランをリプランニングしているところなので、プロモーションに”プロセスエコノミー”を取り入れてみようと思う。

このnoteを書いてる人・・

個人がハイパフォーマンスを発揮できる「心と身体の造り方」や「学びの効率化」「読書コーチング」など、個人の生活やビジネスの生産性を上げるサポートや講座を開催しています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?