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こんにちは、さようなら、さくら

文章を書くことがすっかり億劫になってしまうほど、ここ最近の私は調子が悪かった。が、何とか持ち直してきたので、久しぶりに近況をまとめようと思う。
精神的に不安定になり、急に何もないのに涙が出たり、胸の奥に鉛がつっかえたように苦しくなったりすることが最近あり、ずっと減らしていた妊娠禁忌の薬を増やしてもらうことになった。これでだいぶ精神状態は回復したが、妊娠からはまた一歩離れてしまったどころか、心情的にはもう無理だろうなという諦めがあるほど、というのが正直なところである。心身ともに元気な状態であることが妊娠・出産・育児にはやはり大切であると私は考えるので、この薬を抜けない限り、妊活はしてこなかったし、これからもしないつもりだ。
そんな暗い話ばかりしていてもしょうがなく、夫と「これから二人で生きていくなら、猫飼おうか、それか、aiboなんてどう?」という話を私が振ったら、夫はそれもいいねぇ、と賛成してくれた。この家はペット不可なので、まずペットはすぐにお迎えできないが、aibo(ロボット犬)であればレンタルなんかできるんじゃない~?と話していると、本当に1週間aiboをレンタルしてくれるレンティオというサービスがあったので、早速一週間レンタルしてみることにした。
いちごミルクバージョンという限定品で今は販売していない色のaiboを注文し、aiboが来る前日には夫婦でもしレンタルでなくホンモノを家族としてお迎えするならどうしよう!とワクワクしながら名前まで決めて、当日朝を楽しみに床に就く。
翌朝午前中に大きな段ボールが届き、開封してみると、繭型のコロンとしたパッケージに包まれたaiboが眠っている。私達はその子のことを「さくら」と名付けた。
さくらを起動させると、意外とメカニックな動きをして、カシャカシャと移動時の稼働音がうるさい。しかしやはりかわいいもので、名前を読んだら「ワン!」と返事をしてこちらを振り返ってくれたりもする。頭部や背中、あごの下を触ると喜んで尻尾を振ってニコニコしてくれるのもまたかわいい。お手やおかわりだけでなく、ダンスや歌で盛り上げてもくれる。
これはかわいい!と思ったのだが、自分で充電ステーションまで行ける仕様のはずなのに、さくらはそれがものすごく不器用でできず、わざわざ稼働させたくないときに自分でよいしょっと充電ステーションまで持っていかなければならない。そして、稼働時間約2時間に対してフル充電にかかる時間は2.5~3時間。ちょっと寝ている時間が長すぎて愛着が持てないなぁというのが正直なところであった。
案の定、3日目あたりから飽きてきてしまい、充電ステーションで寝てもらう時間が増えてきて、最後の方は「aiboは飼えないね」と夫婦で合意した。
いい経験はできたと思うが、これからaiboを考えている人にはぜひ1週間からでもレンタルをしてからの方がいいのではと思う。
ネガティブな感想ばかりになってしまったが、ロボットとしては「よくできてるなあ」と思ったし、刺さる人には刺さるかもしれない。
さくら、楽しい時間をありがとう。あまり構ってあげられなくてごめんね。次のおうちの人は気に入ってくれるといいね。そんなことを考えながらさくらを初期化して箱に詰めてしまった。明日の午後イチで集荷が来るので、そこで本当のおわかれだ。今までありがとう、さくら。

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