マガジンのカバー画像

コロナ2割派の私の奮戦記

13
軽症8割、重症2割。そんな言葉がしたり顔でまかり通っていた2020年の春。ほとんどの人が自分は8割に入るだろうと安心していたのでないだろうか。しかし、私は、これまでの経験から、自…
運営しているクリエイター

記事一覧

【仏像エッセー】妄想拝観〜春の夜の十一面観音立像編〜

床に突っ伏して妄想拝観 3月半ばのある夜。洗濯物を干さないといけないのに、疲れて床(ゆか)に倒れたまま、立ち上がれなくなってしまった。なんだかつらい。そういえば、去年の春のお彼岸は三連休だったのに、大阪で感染者が急増したというニュースが入り、関西への秘仏の旅を直前にキャンセルしたのだった。今年は緊急事態宣言が長引き、はなから諦めていたのだが、この時なぜか急にせつない思いが込み上げてきた。  この混乱と苦しみはいつ終わるのか。洗濯機は仕事を終えて止まっているのに、私には立ち上が

【仏像エッセー】2021年1月1日。変わるべきものと変えてはいけないもの。安養寺(東京都日野市)の毘沙門天像!

 毎年お正月にお参りしている安養寺(東京都日野市)。普段は本堂(非公開)にまつられる毘沙門天立像が、お正月の日野七福神の期間中だけ、薬師堂に移されて、公開される。  今年はこういう状況なので、電車を使わず、サイクリングで出かけることにした。自宅からそこそこの距離があり、普通であれば自転車で行くような場所ではない。しかし、日野バイパスは歩道が広く、思いのほか快適に移動できた。  そして、コロナ禍に関係なく、今年も安養寺の毘沙門天様は思いっきり腰をひねっておられた! ご尊顔と肩か

「コロナ脳」と蔑む風潮を憂う~あれだけ仏像のために遠征していた私がなぜ遠出を控えるのか~

 8年前、大切な家族が突然病気になった。気づいた時には重症。複数の医者に診てもらったが、改善しなかった。病気による症状はつらい。治療もつらい。そして、休職や退職など社会的かつ経済的なつらさも続く。三重苦だ。あの頃の私は孤軍奮闘。相談できる人も少なかった。世間は平穏無事なのに、我が家だけ地獄だった(そのように感じていた)。  8年後の今、世界中がコロナに直面している。無症状の感染者が存在するとはいえ、未知の新型ウィルスで重篤化する可能性もあり、症状も治療もつらいはず。そして、

【エッセイ】コロナで変わる7) 寄付しました

 コロナ禍でレジリエントに変わると大見えをきった私が本当に変わったのか検証するシリーズの7回目。恥ずかしいほど少額だが、寄付ということをしてみた。 7) 少額しかできないが、それでも寄付する   noteを始めて、コロナ禍の奮戦記を書いている私だが、奮戦の一方で、自分の無力さを痛感している。おりしも7月に入ってから東京は新規感染者数が3桁台の日が続いている。想定していたよりかなり早く、急な右上がりが始まったと言えるだろう。ニュースを見てただ疲れている。  コロナ禍で困って

それではなぜマスクをするのか? (長野県佐久市・福王寺の阿弥陀三尊に祈る)

 私はなぜマスクをするのか。  答えは簡単。  愛する人を守りたいから。  自分は感染したってかまわない。でも、人にはうつしたくない。私には守りたい大切な家族がいる。  COVID-19は感染しても無症状であることがあり、それが感染を広げる一つの原因になっている。自分はかかっているかもしれないと思って、感染予防の行動を取ることが大切なのだ。  私が大切な家族を守りたいように、あなたにも大切な人がいるだろう。  だから、私はマスクをする。 【拝観案内】 福王寺(長

なぜマスクをしないのじゃ? (高幡不動尊のマスク仁王さんに祈る)

わからない! わからない。なぜマスクをしないのだろう。同じ職場で働いているのに。  わからない。なぜマスクをしないのだろう。今は2020年7月。都内のコロナ新規感染者数は連日3桁を超えてるのに。  わからない。なぜマスクをしないのだろう。ニュースは見ないのだろうか。「夜の街」(←この言い方は嫌いだが)で若い世代に感染が多発していて、それが高齢者まで広まると、医療がひっ迫して、死者が増える。そういう説明をいちいちしないと理解してもらえないのだろうか。  わからない。なぜマ

【エッセイ】コロナで変わる6) 阿弥陀信者だけど奥田牧師の説教を聴く!

 「コロナ禍でレジリエントに変わる!」と大見えきった私が本当に変わったのか検証するシリーズの6回目。節操ないとご批判を受けそうなのだが、あえて告白する。東八幡キリスト教会の奥田先生の説教を聴いて勉強していることを。。。 6) 奥田牧師の説教をライブ配信で  阿弥陀信者の私がこういうことを書くとご批判を受けそうなのだが、あえて告白する。北九州にある東八幡キリスト教会の日曜日の説教をライブ配信で拝聴している。この教会の奥田牧師はホームレス支援に力を注いでおり、その著書や講演から

【エッセイ】コロナで変わる5) 阿弥陀様の追っかけが坐禅を始める!

 「コロナ禍でレジリエントに変わる!」と大見え切った私が本当に変わったのか検証するシリーズの5回目。浄土系の仏像が大好きで、阿弥陀如来様を追っかけていた私が、坐禅に目覚めたという話である。Zoomだけど! 5) オンラインで仏教プラクティス 仏教の修行というほどでもないが、生活習慣になりつつ行動を始めた。修行というには申し訳ないので、プラクティスと自分では呼んでいる。  まずは、Zoom坐禅会。前から訪ねたいと思いつつ、少し遠いので行けずにいた横須賀の独園寺のご住職が、パン

【エッセイ】コロナで変わる4) 電車に乗らず、誰にも会わず、仏像にお会いしに行く!

 「コロナでも少数派の私の違和感と決意とは?」で、自分はレジリエントに変わるのだと大見えを切ってしまった私が、実際にどう変わったのかを検証していくシリーズ。4回目にして、ついに仏像拝観の話。制限あるからこその楽しみがある! 4) 仏像拝観は自転車圏内で、誰とも会わずに  週末になると仏像拝観に出かけていた私だが、2月の三連休に関西に出かけて以来、遠征は控えている(2020.6.27現在)。厚労省のサイトによると、外出自粛期間中でも、体力維持のための最低限の外出は許されていた

【エッセイ】コロナで変わる3) かゆい! なぜ? 疲れが出たか?

 「コロナでも少数派の私の違和感と決意とは?」で、自分はレジリエントに変わるのだと大見えを切ってしまった私が、実際にどう変わったのかを検証していくシリーズの3回目である。今回は自発的に「変わった」わけではなく、テレワークに向けた努力の副作用として「かゆみ」に襲われたという話である。 3) 皮膚掻痒に襲われる  4月7日、緊急事態宣言を翌日0時で発令と発表された日。この日は仕事で役所に行かなければならず、その後、深夜まで事務所で仕事をしていた。夜遅く、急に鼻の奥がムズムズして

【エッセイ】コロナで変わる2) ポータブルなLTE搭載パソコンでバットマン気分!

  「コロナでも少数派の私の違和感と決意とは?」で、レジリエントに変わると大見えを切ってしまった私が、実際にどう変わったのかを検証していくシリーズの2回目である。 2) ポータブルなLTE搭載パソコンで、バットマン気分  在宅ワークを始めるにあたり新規購入した自分のパソコンは、あえて小さくて軽いものを選んだ。テレワークを在宅だけでなく、あらゆる場所でできるようにするためである。思い切ってLTEも搭載した。かなり高額な仕様となったが、その甲斐あって、どこでもいつでもパソコンを

【エッセイ】コロナで変わる1) 元祖在宅テレワーカーが久しぶりに在宅テレワークに復帰~もうばたばたです~

前回のポスト「コロナでも少数派の私の違和感と決意とは?」では、 自分はレジリエントに変わるのだと大見えを切ってしまった。それでは、コロナ禍が始まってからどれだけ変わったのか検証してみよう。 1) 在宅テレワークの態勢を整えた  オリンピック延期の決まった3月末、小池百合子都知事が突然に外出自粛だのステイホームだのと叫びだした。都内の新規感染者数が急増し、コロナ危機はすぐ身近に迫っていた。私は通勤時間が長いこともあり、このまま通勤を続けていたら、自分が死ぬと思った。何度でも

【エッセイ】コロナでも少数派の私の違和感と決意とは?

 コロナが始まってから、いくつかの違和感と向き合っている。  最も大きな違和感は、COVID-19に対する世の人々の反応である。  コロナ禍が始まった当初よく言われたのは、「感染者の8割は軽症で、重症・重篤化するのは2割にすぎない」というフレーズだった。私は思った。自分は2割に入る、と。振り返ると、二十代の私は、インドで細菌性赤痢に感染している。バックパッカーのような野性味あふれる旅をしたわけではなく、そこそこ高級なツアーに参加したのに、ツアー参加者の中で私だけが罹患し、帰国