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概念の因数分解

感受性のある生き方は人生を豊かにできると思っている。
私は小さい頃から閾値が低くいわゆるHSPで
事実に対して、自分はどう感じるか?それをどう受け止め、解釈するか?等、自分や感情を客観的に観て考えることが好きだった。

HSPとはHighly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)の略語で、繊細で感受性が豊かで、敏感な人を指します。アメリカの心理学者、エレイン・アーロン博士が提唱し、1996年に初めてHSPに関する書籍が出版されました。アーロン博士自身が、自分の敏感すぎる気質に悩み、研究してたどり着いたひとつの「キャラクター」です。

その頃から哲学が好きになり
思慮深く落ち着いて物事を考えることが今の仕事にも少なからず生きている気がする。

今回は哲学的に概念について考え豊かさとは何なのかを考えてみたい。
ちなみに私自身は無宗教であり独学で哲学、社会学を趣味でかじっているだけなので
知識人から見るとだいぶ乏しいですが悪しからず。




幸せの定義とは
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幸福論はアラン、ヒルティ、ラッセルの3人が唱えている三大幸福論がある。
中でも私はラッセルの考察・論究が好き。
アランは肉体的にも精神的にも強くないと成り立たない理論な気がしてしまって。笑
ヒルティは自分が今いる立ち位置によって受け取り方が変わる指南書のよう。
いつ読み返しても違う発見があり心を揺さぶられるものがある。
「神」「宗教」のワードが頻出するが意外にも宗教の話ではなくどちらかというと聖書に近い気がする。神がいかに偉大な存在かが書かれているので無神論を支持している人たちには合わないかもしれない。

ーお薦めー
バートランドラッセル 幸福論 

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名著でありながら一番分かりやすい本




人はいつだって何かと比べて生きている
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幸福である。と感じる時、何故このように幸福なのであろうかと疑問に思う。
この概念を突き詰めると人はいつも何かと比べて生きているのではないかと思えてくる。
これはラッセルの考察に割と近いと思っていて
昨日の自分より幸せ
あの食べ物より美味しい
当時の出来事より辛い
日常で感じる概念のほとんどが
未来と比べて考えていることはほとんどなく
いつだって過去の体験や感情と比べることから生まれる。
希望があるから絶望があって
絶望があるから希望がある。
どちらかを経験してしまうと反対のことも期待してしまうし想像してしまう。
人間は幸福という概念を考え出した不幸な生き物なのかもしれない。






他人の人生を勝手に歩かない
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「羨ましい」はこの世で最も意味のない感情だ。誰もが抱いたことがあるやっかいな感情である。
嫉妬する対象を思い浮かべてほしい。
アリアナグランデやジャスティンビーバーを思い浮かべるより身近な人や共通点が多い人を思い浮かべるのではないだろうか。
感じるその対象は、自分のありたい姿から乖離した姿であることは少ないと思う。
嫉妬ってなれそうでなれないものに抱く感情だと思っている。でもね、どんなに相手に嫉妬しても残念ながらその人には絶対になれない。
羨ましいからって勝手に人の人生を歩くものではない。失礼というより無意味。
誰かを「羨ましい」と思う時、きっとその人の極一部を取り出し、その一部だけを不当に高い評価をして自分に突きつけ
嫉妬している相手のその裏側の苦労や困難を見ようとはしない。
よく芸能界で成功するには・仕事で出世するには
他人を蹴落とし上に立てる人でなくてはいけないという人がいるが
ここは弱肉強食の自然界ではなく人間が生きる社会。
他人を蹴落とすのではなく、ただ自分が向上すればいい話。
競争の中で、適材適所と個性の尊重で上手くいく。
どんな人の人生にも苦楽がある。先ずはそこに気づき相手を尊重することで嫉妬をやめ
理想の自分になれるように努力をすることが大切である。
他人を羨む人生を生きてはいけない。
主人公はいつだって自分なのだから。






お金持ちは幸せの幅が広いだけ
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お金があれば誰もが幸せになれるのか。
この答えを知っているものは大富豪の家庭に生まれたのにホームレスになった人またはその逆を経験した人くらいであろう。
恐らく世の中にそう多くはいない。
わたしはそのどちらでもないが値段と価値は違うということは分かる。
ブランドだから買う!高ければ高いほど価値がある!という考え方が苦手で
高いから価値があるとはどうしても思えない。
ただ、ものを選ぶ一つの基準に「値段」があるのは確か。
急いでいるとき、何も考えていないとき
高い方が品質がいいのではないかという思いから失敗することがあるが
たまたまいいなと思ったものが高かったという経験はあっても逆は私はない。
服も気に入ったものがたまたまハイブランドだったとか好きなラインがあるからという理由で買ったりするけれど
それは気に入ったものにお金を払えるという事象にすぎない。
お金を持っている人は選択肢の幅が広いが故に幸せの幅も広いだけなのだ。

お金があると確かにだいたいの問題は解決する。
ただその分悩むことも増える。
どんな人にも同じ時間が与えられているからこそ
時間をどう過ごすかの方が
価値があり大切だと思える。


学生の頃って本当に楽しくてなんでもない事が面白くて、目に映るもの全てにときめいた。

「時間はあるけどお金がない」が
青春の定義だとしたら
「お金はあるけど時間がない」
に変わっていく。
そしてそれは大人になった証拠。


お金で買える幸せと言うものも確かに存在する。
残念ながらすべての『カタチあるもの』はお金で手に入れることができてしまう。
しかし一度お金で大きな幸福を得てしまうとお金では買えない幸せの価値を見失う。
これだけはだれにも買えないという自分だけの『カタチのないもの』を増やすことが人生を豊かにする。


他人のお金を奪おうとして、悪巧みをして人を傷つけて平気な人もいれば
人助けのためにお金を使うことで幸せを感じる人もいる。
お金は、あくまでも生きていく上で必要な何かを得るための(教育、生活、医療などのための)手段であり、
お金に支配されてしまわないようにしなければならない。
私は大人になり、お金で買えないもの、
ゆっくりとした時間、気の合う恋人、やりがいのある仕事、大好きな仲間、そういう存在に本当の価値を感じられるようになった。





「懐かしい」は 「恋しい」だ
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思い出って誰かに話すことで「楽しい」「幸せだった」と客観的に自分の感覚を評価し楽しさや幸せを噛み締めている。
素晴らしい本を読んだ時、感動する出来事に出会った時、誰かに伝えたいと思う。
他者に語ることで感動をさらに確かなものにしようとする。
そういう誰かと出会える場が、身近に一つでも多くあるような社会こそが文化的に豊かだと言える気がする。


あの頃が懐かしいっていう感情の中に
悪い思い出はひとつもなくて。
懐かしいの正体は「恋しい」だった。


過去の記憶って上書きされて装飾されて
楽しかった出来事はさらに楽しかった思い出に変わっていくもの
今の楽しいは過去になればもっと楽しいに変わるから
辛かった記憶を打ち消すために
早く次の日を迎えたい。






幸せになる為に眠りにつく。そんな夜





Song of the week

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SHE'S/幸せ
歌詞

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