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バンドを組む理由。ソロを選ばない人生。


ずっと考えていたことがあって(すごく失礼な事を書きます。先に謝りますごめんなさい。)
わたしはずっと「バンド」という存在が謎だった。
ボーカルの声に特徴があるバンドがある。
唯一無二の歌声と彼のスター性で世界的に有名になったとまで思ってしまう。
MVではその背後にギターやベースがいることが多い。
作曲も作詞もやっているボーカルを最近は多く見かけるし
バンドメンバーだけでコンサートをしている様子をあまり見たことがなく、他に演奏する人を加えたりしてしまえば
ソロで歌ってる人とあまり変わりがないのでは?と思ってしまう。
良いメロディーでもボーカルの声が苦手だと聴く機会は減っていくとも思う。
仮に、違う誰かが演奏していても、わたしは音楽に疎いので弦を弾くタイミングや弾き方のクセについては正直分からないと思う。

もし売れに売れたら
ボーカルだけ残して後のメンバーをみんなプロのミュージシャンやAI機械にしてしまったら、、、
世界的ミュージシャンが収録やライブに参戦すればさらにいい音楽に聞こえるはずだ。
でも何故売れてからもみんなそれをしないのか。


彼等はバンドを組んで2日目で世界的に有名になったわけではない。
それなりの年月をメンバーと過ごし
衣食住を共にして毎日朝まで練習して
たまには意見がぶつかって喧嘩をしたり
近所の公園で仲直りをして
暑い日も寒い日も、路上ライブに出続けた日々があった。
その過去から生まれた音がバンドの音楽である。
彼等を取り巻く環境も
日常で発せられた言葉も
全てがひとつも欠けてはいけない大切なピースなのだ。
その過去がなかったら確実に今はない。
売れなかった時代こそが一番大切な音を作っている。
ファンの人たちもただのいい音が聞きたい訳じゃない。
彼らが奏でる音楽だから聴きたいのだ。

結局ボーカルひとりが全部を担う必要もなくて
できないところはできるメンバーを集めればいいし
ベースの人はボーカルを集めればバンドは作れる。
仲間がいる環境があるからこそボーカルは歌えるし
音楽に個性が生まれるのだ。


でもこれはバンド以外でも同じことが言える。
例えば会社という組織にも当てはまる。
どんな大きな会社でも初めは1人から始まった。
そこに同じ意思を持った仲間が集まって組織となる。
時には熱くなりすぎてぶつかってしまったり
苦しい時間を共に過ごして
少しずつ会社と共に成長していくのだ。

会社が大きくなる時、経営判断で
いい人材を外部から組織に入れることがある。

他職の友人に、お金があるなら優秀な人材に役員全員入れ替えればいいのにと言われた。
うーん、そういうことじゃない。
でも考え方はわたしのバンドに対する偏見と同じだった。
始まりを知るものがいたから今があるし
どんな優秀な経歴にも勝る熱量がある。
一緒に過ごした時間や経験は誰にも奪えない。


すごく世の中に誤解されていることがある。
自分たち(経営者)が有能だから会社が大きくなるのではない。
わたしたちはなんにもすごくないし偉くない。
ひとりで何でもできる人は会社なんか作らなくていい。
ひとりでは何もできないから会社を作るのだ。

前に進むもうとすると足を掴んで引きづり降ろそうとする人がいる。
少し疲れて休もうとすると知らない誰かに早く歩けと背中を蹴られる。
上手くいっても休もうとしてもどっちにしても怖い。
こんな道を一人でなんか歩けない。
いつもみんなが、時には盾になり、安全な道を作ってくれているから少しづつでも歩き続けることができる。
辛いこともみんなと一緒ならきっとこの先も乗り越えることができると思う。
時折、会ったこともない人から心ない声を投げかけられる時もあるけれど
それ以上に温かい声もしっかりと届いている。


日々色々なことが起き、時には悲しんだり嘆いたりしてしまうのだけれどそれは10分までと決めている。
心を整理するのにそれ以上かかってしまうこともあるけれど
基本的には気持ちを切り替えられるように。
苦しみが漏れ出てしまった俗に言う病んでいるSNSの投稿も10分で消すように気をつけている。

失敗や苦労は
痛いと感じられればそれは成長痛。
まだまだ伸び代があると思えれば痛みも乗り越えられる。
「若いのにすごいね」は今だけで
何れ誰も言わなくなる。若さに価値がある時間はほんの一瞬だ。
もう私は次のステップを迎えようとしている。
ここから先は本当の意味で実力がフラットに評価されていく。
このままだと一日24時間じゃ足りないなって思うけど
48時間になったところできっとまた時間が足りないと嘆くと思う。
足りないものは時間じゃなくて充実感。
若いと言われなくなるその日までに
ただただ歳を取るのではなく
なりたかった自分を超えられるように
ストイックに生きていきたい。

そして今これを書きながらGeGさんのI gotta goを聞いている。春の歌だ。
変わっているねって言われるけれど
冬にさくらの曲を聞くのが好きだし
夏にクリスマスの曲を聞く。
先の情景を思い浮かべてその季節にどんな自分でいたいかを考える。
その為に今何をすべきか。
でも今月だけは先のことをあまり考えずに今の自分と向き合いたい。
わたしには11月をとても大切な月にしている理由があって
プライベートの大きな決断も、人生を変える人との出会いも何故かいつも11月だから。
こういう見えないものの力を運命と呼ぶのかもしれないけれど
たまにはいいのかなって。自分の感情に素直になって運命を信じて人生をBetしてみても。



ひとりで感じる幸せには多分限界があると思う。
楽しさは安定的だけど、ひとりでいる楽しさの最高記録ってたぶん更新されることはない。
自分だけの安全な世界にとどまっているから。
それが誰かといると
自分だけの世界では絶対に出会えなかった楽しみのパターンを発見できたり新しい自分に出会えたりすると思う。



人生の長さがはじめから決まっているとしたらー。
歳を重ねていく度に、どんどん過去が増えていく。
その分、未来は一分一秒少なくなっていく。
だからこそ
その長い過去の一部分でも
共有できる誰かがいた方が人生は楽しくなるのかも知れない。
その誰かはバンドのメンバーかもしれないし会社の仲間かもしれない。
友人や恋人だってそうだ。


ソロじゃない人生もきっと楽しい。


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