Rのない月の牡蠣はよくない
月の名称にRの文字を含まない月、つまり五~八月まではカキを食べないほうがよい(イギリス)
原文:Oysters are only in season in the R moon.
[牡蠣の旬はR月だけである]
生活の知恵を覚えやすくするための機知を働かせたもの。
カキは5月~8月までの
産卵期には中毒を起こしやすく、
また味も良くない。
だから、この時期の牡蠣は、
食べないようにとの警告であるが、
たまたま英語の月の名前で
5月(May)から8月(August)までは
「R」を含まない綴りなので、
このような表現となった。
1月 January
2月 February
3月 March
4月 April
5月 May
6月 June
7月 July
8月 August
9月 September
10月 October
11月 November
12月 December
※しかし、日本ではこのカキの期間は
当てはまらないそうなので注意。(下記引用より)
七七調のリズミカルな
言い回しによる、
覚えやすい文字の記憶法であって、
日本のころわざでいえば、
以下に該当する。
「瓜に爪あり、爪に瓜なし」(日本)
「瓜(うり)」という字には、
「つめ」があるが、
「爪(つめ)」という字には、
「つめ」がない。
なお、肯定形の英文を
二重否定の形で訳すのは、
印象を強めるための
翻訳の技法で、
英語と日本語の性質を
考えるうえでも興味深い。
ちなみに、
カキに関する
英語のことわざには、
「牡蠣は神に対して不敬な食物、
無慈悲な食物、損になる食物」
というのもある。
カキを食べるときは
食前のお祈りをしないで
食べるから不敬、
殻しか残らず
貧者の施しに
ならぬから無慈悲、
ぶどう酒とともに
食べるので損なのだそうだ。
なぜカキだと
お祈りをしないのか?
わかりにくいが、
うまそうな生ガキが出てくると、
お祈りも忘れて
すぐ手を出してしまう、
と解釈すると、
すべての謎が解ける。
要するに、
カキは大変うまい珍味で、
表向きはカキを
けしなした逆説的
賛美なのであるとも
言われています。