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タイ人に騙され(かけ)、タイ人に救われた話

先日の通勤途中の朝の話。
スマホをいじりながら、バス停でバスを待っていたら、目の前にスーッと1台のバイクが停まった。バス停には私一人しかいない。

スマホから顔を上げると、40代半ばの黄色いパーカーを着たおばさんだった。おばさんは「パーカーのポケットに入れてたスマホをどこかに落としちゃったみたいで、、、あなたの携帯で電話させてくれない?」とタイ語で言った。

実はほんの1ヶ月前、私はこのおばさんと全く同じことをやらかしている。
スマホをどこかに置き忘れて、アパートの管理人さんやら住人の方、立ち寄ったお店の店員さんがそれぞれ私のスマホに電話をかけてくれた。

なので、スマホがなくなった不安や焦りはよーくわかる。
(ちなみに私のスマホは家の机の引き出しに入れっぱなしになっていた。超恥ずかしい😳)

それでもちょっと怪しいなと思ってタイ語がわからない振りをすると、今度は英語で同じ説明をしてきた。仕方がないので、持っていたスマホを通話画面に変えて、番号をおばさんに押してもらおうとした瞬間、誰かが後ろからブラウスの裾をツンツンと引っ張ってきた。

今度はなんだ??

振り返ると見知らぬおばあさんだった。目が合うと、眉間に皺を寄せて首を横にブンブン振った。

・・・あ、やっぱりこれダメなやつ・・・?

私はスマホをぎゅっと握りしめたまま、バイクのおばさんに番号だけ押させた。
すぐに手を引っ込めて、スマホに耳を当てて発信音を聞きながらおばあさんを目で追うと、こっちに来いと手招きをしている。

おばあさんはバス停脇にある屋台の店員さんで、一連のやり取りを後ろで見ていたらしい。スマホに耳を当てたまま屋台に駆け寄ると、「危ないんだから、知らない人に携帯電話を渡しちゃだめだよ!」と言われた。

バイクのおばさんはバイクに乗ったままこちらの様子をうかがっている。発信音が留守電に切り替わると、「誰も出ません」とタイ語で言ってやった。おばさんはOK〜ありがとうと言って、そのままバイクを進行方向に走らせて行った。

ちょうどバスが来たので、おばあさんにお礼を言ってバスに飛び乗ると、急にゾッとしてきた。カバンの中のスマホを確かめる。よかった。あるーーー。

見るからにやばい人なら多分無視してたと思うが、今回はおばさんだったし不意打ちだったのでちょっと油断していた。おばあさんがいなかったら、スマホを渡してしまって、そのままバイクで逃げられていたかもしれない。せめてスマホを触らせる前に「バイクを降りてください」と一言言えばよかったなーとバスの中で反省した。

学校に着いてすぐ同僚に報告すると、最近よくある手口らしく同僚も聞いたことがあると言っていた。あのバイクのおばさんが泥棒だったのか、本当に無くしたのかはわからないけど、用心しなきゃなーと思わされた出来事だった。


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