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お店で物を買うことは、お店の雰囲気をそのまま持ち帰るということだ。

2023.05.02

都内某所の、大きめの某大手電気屋で久々に買い物をした。

ドラム式洗濯機を現地で見た上で買いたいと思ったからだ。
別にネットで買っても全然良いのだけれど、大きい買い物だから見てから買いたい。

売り場の店員さんから接客を受けつつ、
ドラム式洗濯機はセールになっているものを購入でき、なかなか満足のいく買い物ができた。

…と思ったのも束の間。
住所記載の際、こちらもついでにと簡単なアンケート用紙を渡された。
質問項目は現在使用中のキャリアやネット回線についてと今飲んでいる水について。
この時点で、「あーなんかあるんだろうな」とは思っていた。

案の定、売り場の店員だと思っていた人は実は某大手キャリアのスタッフで、お得なキャンペーンと称してキャリアの乗り換えを迫ってきた。
幸い自分はすでにそのキャリアのユーザーで、月額高めのプランに入っていたのと現状に満足している旨を伝えたら、割とすんなり引き下がってくれた。

一息ついて、その店員が伝票を取りに戻った。
すると今度は別の店員が現れた。
今度はウォーターサーバーのセールスだった。

こちらも要らない旨を伝えると引き下がってくれたが、購入確定から受けたセールストークの時間は体感20〜30分。長かったし疲れた。

ただ洗濯機が欲しかっただけだし、
何より電気屋が好きだから電気屋に買いに来てるのに、こんなセールス受けるくらいならもう電気屋はショールーム代わりにしてAmazonで買うぞ?と本気で思った。

何でもネットで即購入できる今、
商品を見たり触りつつ専門的な店員の意見を参考にして気持ち良く意思決定をする、という体験が実店舗で購入することの価値だと思う。

それなのに、実店舗で関係ない商品の売り場までキャリアセールスの巣窟になっているとなれば、益々実店舗で買う人が減るだろうなあ…
と思いながらお会計を済ませるのは心苦しかった。

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実店舗で物を買う意味について考える。

ネットでの購入と比べると、実際に見たり触れたり、物の持つ雰囲気が分かるという体験が伴うことは自明だ。
だから念のため店舗で見てから、あわよくばその場で買いたいと思う。
ここに特にこだわりがなければ、ネットで買ってめでたしである。

私は最近、例えばシンプルなガラスのコップを買いたいと思った時、なるべく雰囲気が良く自分の好みに合ったお店で買いたいと思うようになった。
物自体はどこにでもあるような、ネットや100均で買っても十分な物だとしてもだ。

それは、そのお店のその物を選んだ、という経験を家に持ち帰りたいからだと思う。

ちゃんと選んで実店舗で購入した物においては、お店の雰囲気というか、残り香のようなものが物に残る気がしている。

それは自分がそのガラスのコップを良いと思った時、「他の雑貨やインテリアの中でコーディネートされている、そのガラスのコップ」という文脈ありきで良いと思っているからだ。
こんな部屋にしたい!という憧れだったり、良い物の中から選んだ、という満足感だったりがその文脈に含まれている。

憧れや満足感の残り香のついた物を購入し、家に持ち帰ることで、自分だけのステキなマイルームに一歩近づく。

そのために、タイパが悪くてもわざわざ店舗に行きたいと思うし、良いものに出会いたいとも思う。
私にとって、お店で物を買うことは、お店の雰囲気をそのまま持ち帰るということだ。

先述の電気屋での体験を思い返すと、洗濯機を回すたびに体験を思い出してしまうことがちょっと苦いなと思う。

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嫌なことがあったり、自分の行為や行動を肯定したい時、しばしばこうして一歩深く考えてみる。

考え癖は前からあって、
なんでこんな考えなくていいことを考えちゃうんだろうなと思っていたけど、こうして書いてみるとちょっと分かった。

体験した嫌なことを解釈して理解することで受け止めたり、元々劣等感が強い質なので自分の行動を肯定するための自衛として「考える」ということをしているのだなと思う。

また上手く言葉がまとまる時があれば、書き溜めていきたい。

おわり

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