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『死にたいって誰かに話したかった』

南綾子の小説『死にたいって誰かに話したかった』

少し前に新聞かネットの記事で見かけて、そういえばここのところ小説をあんまり読んでなかったなと思って、図書館で借りてきた。

プライベートも仕事も空回りばかりの主人公が、「生きづらさを克服しようの会」を発足して、不思議な共同生活をするお話。

生きづらいと思いながらも、そんな会を作る時点で、結構前向きだしパワーがあるなとも思う。

「生きづら会」で自己開示をして、それを聞いている人は肯定も否定もしない。
解決策があるわけではなくても、自分の苦しさやつらさを、ただ聞いてくれる人がいるということが大きいんだなと思う。

「死にたい」とかはなくても、「しんどい」「つらい」っていう気持ちを吐き出せないことが、余計苦しいっていうことはあるかも。

「生きづら会」のメンバーも、そうやって少し前に進んだなと思ったら、また傷ついて絶望したり、そう簡単に生きづらさは克服できない。
でも最後はみんなそれぞれ、昨日の自分よりも少し前に進んでいくことができている。

その繰り返しなんだろうなと思う。
前に進んだり立ち止まったり、時には後退することがあるかもしれなくても、少しでも前に進んでいければ、きっと最後には大きく前進しているんだろうな。

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