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トレーシングペーパーの可愛さについて語る

突然ですが、トレーシングペーパーってなんか良くないですか?

例えばこの我が家にあったなんの変哲もないタオルにトレーシングペーパーを巻いてリボンでとめるだけでラッピングぽく見えません?

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実際、トレーシングペーパーに印刷して帯として巻かれているパッケージはよく見ますよね。

なぜ!なぜ半透明なだけでそんなにも魅力的なんだいトレーシングペーパーよ!トレーシングペーパーに限らず、人は「透け感」のあるものを「キレイ」と思うことが多い気がします。やっぱり川底の見える清流の透明感に通じるものがあるからなのでしょうか。

今日はそんなトレーシングペーパーについてつらつら(主に可愛いよね、っていう文章)書いていきたいと思います。


そもそもトレーシングペーパーはなぜ半透明なのか?

ちょっと堅い話になりますが、どうしてトレーシングペーパーは半透明なのかについて簡単に触れておきたいと思います。

紙はセルロースと呼ばれる繊維でできており、中には微細な隙間があって空気を含んでいます。この空隙の中で光が屈折して白く不透明に見えるのが通常ですが、空隙を減らして光がなるべく屈折しないようにすると透明度が上がります。

方法としては主に3つ。

・めちゃくちゃ叩いて隙間を潰すことで表面を平滑にする

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クロマティコA-FS、XDTトレーシング-FS、クラシコトレーシング-FSなど、いわゆる「トレーシングペーパー」がこの作り方です。


・硫酸によってセルロースを変性させ、ゼラチン状の物質が空隙を埋める ※硫酸はちゃんと除去されますので危険ではないです!

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ドリープWやドリープFなど。アートドリープは、硫酸加工の際に絵柄に合わせて硫酸が染みこまないように薬品を塗布し、絵柄部分のみ半透明にならず白く残った紙です。模様が少し盛り上がったようになるので、触感でも楽しめます。耐油性・耐水性があるので、チョコレートの内包装に使われているのもよく見ますね。


・蝋に含侵させることで隙間を埋める 

クラフト紙にロー引き加工をすると半透明になりますよね?アレです。

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トレーシングペーパーは印刷しても可愛い

パンフレットの遊び紙として何も印刷せずに挟み込むのも可愛いですが、印刷するのも可愛いー!印刷してもしっかり残る透け感がたまりません。

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ちなみにトレーシングペーパーを家庭用プリンタで印刷するときは、インクジェットの場合は「インクジェット用」と書いてあるものでないと滲んでしまいます。レーザープリンタの方が設定さえきちんとすればキレイに出力できますよ。


トレーシングペーパーは色付きも可愛い

白いトレーシングペーパーも可愛いですが、ピンクやブルーの色付きも可愛いー!クラシコトレーシングーFSのような淡い色合いも素敵ですが、クロマティコA-FSのようなビビッドな色合いも捨てがたい!(廃色で色の種類が減ってしまったのが残念ですけれど。。)

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手に乗せると反るところも可愛い

最後に、子どもたちの前で披露すると結構ウケるトレーシングの実験。

ハンドパワー!!

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ではなく、トレーシングペーパーは湿気に弱いので、手にのせるとすぐに反ります。

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手にほんの10秒ものせただけで、くるん。手から離すとゆっくり戻っていきます。なんだか生き物みたいで可愛いですねぇ。

ちなみに紙には繊維の方向があるのですが、その方向に沿って反るので流れ目が分かります。今回手にのせたトレーシングペーパーは長辺に沿って反ったので、流れ目が縦の方向に流れていることがわかります。(コレを縦目・T目といいます。短辺に平行に流れている場合は横目・Y目です)

前職のときに、子どもたちの前でこの実験をすると大概喜んでくれました。

まぁ湿気でこれだけ反るということは、取り扱いが簡単な紙ではないということですけれど(笑)。

「キレイ」「可愛い」ごころをくすぐってくれるトレーシングペーパー。もしも自分で紙モノを作ることがあったら、使いたいなぁと思う紙の1つです。

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