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紙の情報は一体どこで手に入れればいいのか。

例えばデザイナーとして、企業の広報担当者として、印刷物を作ることになったら紙の情報はどこから手に入れればいいのでしょうか。

私は今、企業の広報担当者としてWeb関係の仕事がメインになっていて、紙モノを作るのは残念ながらごく稀です。その稀の機会に、昔取った杵柄で持ってる知識を使って紙を指定していますが(予算があれば泣)、もしも紙に関わったことのない人ならばどうやって紙を選ぶのでしょう?

紙を中心としたグラフィックやパッケージのデザイナーさんなら紙屋さんが営業に来てくれますが(この「営業」の仕事が私の前職です)、基本Web関係の仕事をされているデザイナーさんの場合はなかなか難しいのではないかと思うんですね。

紙媒体は少なくなってきているとはいえ、ときにはパンフレットやショップカードを作ることもありますよね。そこで今日は、紙の最新情報の手に入れ方について考えてみます。

1.印刷会社の営業さんに聞く

多分これが一番手っ取り早いです。ですが、特殊紙の印刷が得意な会社さんもあれば、大ロットの印刷メインでほとんどコート紙しか使わない会社さんもあります。後者に特殊紙のことを聞いてもあまり詳細な回答は期待できないでしょう。お願いする印刷会社さんの得意とする印刷分野は知っておいた方がいいと思います。

ちなみにこのルートの場合、紙屋→印刷会社→ユーザーと伝言ゲームになるので、最新の情報が適切に伝わっていかない場合もありえます…。

2.印刷通販が配布している無料サンプルを手に入れる

そもそも予算の関係で営業さんがいる印刷会社ではなく、印刷通販を利用する場合も多いですよね。印刷通販は安いです、マジで。しかもグラフィックとかクオリティもそれなりに良いですからねぇ…。グラフィックにはポイントで交換できるペーパーカタログがあって、結構ボリュームありますので手に入れて損はありません!

ところで、前職で営業に行った先に紙の見本帳の話をしたら、「もう持ってますよ、見本帳!」と言われてグラフィックのペーパーカタログを差し出されたことがあります。

印刷通販しか使わないならこれでも十分…十分かもしれませんが!!紙好きとして、世の中にはもっといっぱい紙があるんだよー、というのは言いたいわけです。このペーパーカタログだけで世界が完結してしまうのは悲しい…!

3.特殊紙の見本帳を手に入れる

シルバーダイヤとユーライトという紙は同じマットコートですが、ほぼほぼ変わりません。関西ではシルバーダイヤが、関東ではユーライトが流通しています。関西でユーライトを使いたい、と印刷会社さんに言ったらシルバーダイヤを提案されるはずですが、特に困らないので断らないであげてください(笑)。

このように、コート紙やマットコートは銘柄名が違ってもそれぞれの紙にほぼ差異がないので、アート紙・コート紙・マットコートの違いさえ把握しておけばあとは印刷会社さんに「コート紙で!」などのジャンルで発注すればOKです。ですが、特殊紙はそうもいきません。銘柄名が変われば紙質が変わります。

特殊紙の銘柄を選ぶために使うのが見本帳。(株)竹尾の場合はネットかお店で購入、平和紙業(株)の場合はサイトから問い合わせですね。ですがいきなり見本帳を見ずに買うのはなかなか勇気がいるので、いったんはお店に足を運んで実際に手に取ってみる方がいいと思います。竹尾の場合は「見本帖」、平和紙業の場合は「ペーパーボイス」というショップがあります。お店に行けば店員さんに質問できますしね。

ただ問題点はショップが全国各地にあるわけではないということ!ショップから遠い土地に住んでいるとネットから手に入れるしかないんですよねー。うーん。

4.デザインのひきだしを買う

グラフィック社さんから定期的に出ている「デザインのひきだし」という書籍はわりと紙の新製品情報が載っています。綴じ込みサンプルもや付録も充実していますよ。そんなに流通量が多くないのが難点ですかね…。


今のところ思いつくのはこんなところでしょうか。もし私が元紙屋さんじゃなくて最初から今の仕事をしていたら、紙のことを全然知らなかったと思います。多分知りたくてもどうやって知ればいいかわからないんじゃないかなあ。

そんな人のために、気軽に紙の相談ができる仕組みがあれば、と思ったりしますがそれがどうやってビジネスになるのか全然思いつかない(笑)。
とりあえず私でよければできる範囲でお答えするので、もしご質問があればお気軽に「クリエイターへのお問合せ」からご連絡ください!


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ありがとうございます!
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紙の専門商社に約8年勤務後、現在はインハウスで販促企画や広報的な仕事をしています。好きな紙はアラベール。 このnoteでは紙についてあれこれ綴ります。
コメント (6)
名刺のオフセット印刷(水彩絵付)では、北斎紙、アラベール、ヴァンヌーボVホワイトと変遷しました。風合いはアラベールが一番ですが、印刷結果が黄色く沈む傾向であきらめました。ちなみに、ヴァンヌーボに色々な英字の種類ありますが、竹尾のサイトの解説では、いまいちピンとこない。何かの頭文字でしょうが、ご教示願いたい。
コメントありがとうございます!
ヴァンヌーボは印刷適性の高いVと手触り感の強いFから始まって、そこから多くの商品が発売されました。
頭文字の意味は、

V=ヴィジュアル
VG=ヴィジュアル・グロス(Vよりも印刷面に光沢が出る)
F=Feeling(Vよりも触ったときにざらざらした風合いがある)
VM=ヴィジュアル・マット(印刷面がマットに仕上がる)
スムース=1番表面が平滑なので印刷の仕上がりが綺麗

基本はVで考えて、そこから違いを知っていくとわかりやすいかもしれません。
ご参考になりましたら幸いです。
解説ありがとうございます。
ついでに、絵ハガキ印刷にアートポストやマットコートを利用するのすが、コート系は、室内に置いておいて半年程度で黄色く劣化が早いようです。白色度の高い(たぶん蛍光剤が入っている?)ものは、印刷仕上がりがきれいなだけに、劣化が早く、暗所で封入していたものと比べると興ざめするほどです。
紙の特質(良い面)を説明する記事は、良く目にするのですが、劣化など負の面をしっかり説明するものが、少ない気がします。
トレーシングペーパーは、その名の通りトレースするために使うときに、手の湿気をすって歪んでしまい寸法が狂ってしまいがち、湿気につよいトレーシングペーパーがあって欲しいのですが...
また、劣化で白くなるものもあり、小生の記事「サリー(+紙劣化)」参照
確かに蛍光染料が含まれていると退色しやすいですね。
紙の需要が減っている昨今、生き残ってほしいという思いからついつい良い面を強調してしまうのかもしれません。負の面もしっかり説明した上で、読んでくださる方に総じて紙は良いものであることをお伝えできるように、精進したいと思います。貴重なご意見ありがとうございました。
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