白い紙の色名、どれくらいあるか数えてみた。
もし「白い紙をください」と言われたら、どんな紙を思い浮かべますか?
一般の人「白い紙?コピー用紙かな?」
ですが、紙屋さんに勤めている人は違います。
「白い紙?スノーホワイト?ホワイト?ナチュラル?え、どの色?」
となって困るのです。それくらい、白い紙の種類は多い。そして白の色名も多い。
白い紙をください、だけではどの紙かわからない!!
特に色名はエキストラホワイトとかプライムホワイトとか、新商品を発売するときは今ある色名とかぶっちゃいけない決まりがあるんですか?と思うくらい種類があります。
実は常々「白い紙の色名ってどのくらいあるんだろう」と思っていたので、この機会(?)に数えてみました。
白い紙の色名を数えてみる
世の中に紙は本当にたくさんあるので、今回は特殊紙に限って数えてみます。変わった色名も特殊紙に多いですしね。(株)竹尾と平和紙業(株)の見本帳に収録されている分で数えます。
※見本帳の中には白い紙ばかり集めたものがあるんですが、その中に収録されていても主観で「これはベージュだな」と思ったものは省いています
※キラキラした紙の白色の名前は省きました
※数字の色名も省いています(例:タント N-9)
ので、他の人が数えるとちょっと結果が変わるかもしれませんが…数えてみた結果がこちら!どん!
全73種類!!
同じ「白い紙」でもこんなに言い表し方の表現があるなんて…。そしてそれぞれ風合いや色味が違いますからね。白の多様性に圧倒されます。
色名の傾向を分類すると、大体3種類に分かれていました。
・一般的な白色を表す言葉 … ホワイト・白・アイボリー など
・ホワイト(白)に別の言葉がくっつくもの …スノーホワイト・マキシマムホワイト・ダイヤモンドホワイト など
・白がイメージされるモノの名前 …ミルク・バニラ・コットン など
例外として、月のクレーターのようなエンボス紙「かぐや」の白色は「満月」でした。満月って聞いたら黄色を思い浮かべちゃいそうですが(笑)。この紙は色名がすべて月をイメージした名前になっていて(上弦が緑で下弦が青)、面白いですね。
紙の白さを表す白色度
紙の白さは「白色度」という数値で測ることができます。紙の表面に光を当て、反射率で白色度が決まります。パーセンテージの数値が大きい方が白です。0%が真っ黒で100%が真っ白ということになりますね。
実は、冒頭に例に出したコピー用紙でも、白色度の違いによって色味が変わるので、真っ白の紙からちょっと黒っぽいものまで種類があるんですよ。基本的に再生紙は白色度が下がるので、社内用資料などの印刷の仕上がりを重要視しない場面では、白色度の低い再生紙を使った方がエコに貢献していると言えます。
紙屋さんの白い紙あるある
最後に、紙屋さん時代のあるあるを披露して終わります(笑)。
「ホワイトはそんなに白じゃない」
何言ってんだこいつ、って感じの意味不明な文章になってしまっていますが、そうなんです!
白い特殊紙ってスノーホワイト・ホワイト・ナチュラルのように3段階に分かれている場合、スノーホワイトが一番「真っ白」に近いんですね(白色度が高い)。そうするとホワイトがなんとなくきなりっぽく見えてしまう。私は白い紙って言われるとスノーホワイトの白さを一番に思い浮かべます。
「ナチュラル=白色だ!」
紙の色名で「ナチュラル」と言えば、たいてい少しクリームがかった白なんです。でも家具で「ナチュラル」と言ったら木目調ですよね?業界が変わると色名と実際の色の組み合わせが変わるのは面白いですね。
「タントのN-8、N-9、N-1は何色かすぐ覚える」
タントという特殊紙の中ではかなりメジャーなエンボス紙があるのですが、色名はアルファベットと数字の組み合わせなんです。色名と実際の色が結び付きにくいんですが、N-8、N-9、N-1だけはすぐ頭に入ります。なぜならよく売れるから。ちなみに、N-8とN-9は白、N-1は黒です。
紙屋さんに勤めてましたけど、タントの色名全部は覚えられなかったですね…。なぜかP-50 が薄いピンクなことだけは覚えてました。なんでなんだ。
また思いついたら付け足そうかな。異論は全然認めます(笑)。
果たしてこんなに白い紙に種類が必要なのか、と言われると難しいところだなと個人的には思うんですが。でもここまで色の名前にバリエーションがあるのは白くらいでしょうし、白という色の奥深さを表しているような気がします。
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