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紙のトレンド・定番の使い方を考察してみよう

こんにちは。前回のトレーシングペーパーについての記事、たくさんの方に見ていただきまして、本当にありがとうございます!まっ、まさかの1万ビュー越え…。

読んでくださった方、スキを押してくださった方、フォローしてくださった方、コメントくださった方、皆様に大感謝です!!これは紙好きさんが世の中にたくさんいるという認識で良いんですね??(ポジティブ思考)

次に書く記事を迷ってしまって少し間が空いてしまいましたが、今まで通り「紙が好きだ」という気持ちを大切に、楽しく書いていこうと思います。

そんなわけで今日は、超主観的な紙のトレンド考察です(※主に特殊紙)

「紙 トレンド」で検索すると最初に出てくるのは生産量や輸出量のグラフ…。それも必要な情報ですけれど、デザイン面における紙の使い方のトレンドの方が個人的には知りたいと思っていて。見つからないなら自分で書いてみようかと。

紙業界から離れて2年くらい経つので、ちょっと鮮度が古いかもしれませんが、よくも悪くも成熟産業なのでそこまで変わっていないような気もしています。トレンドというよりは定番化した使い方と表現した方が良いかもしれないですね。

荷物は軽い方がいい。紙も軽い方がいい。-嵩高紙

荷物は軽い方が動きやすくていいかと思うんですが、紙って束ねるとなかなか重い。展覧会の図録など大きいサイズの本を鞄に入れると、紙の種類によっては結構ずっしりきたりします。

そこで活躍するのが「嵩高」と呼ばれるジャンルの紙。通常の紙よりも密度が低く、軽くて厚みがある紙です。(前回触れたトレーシングペーパーは密度を高くして隙間を減らしていましたが、その逆ですね)

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つまり、本が軽くなるということなんです。同じ厚みの嵩高でない紙を使った場合に比べて軽い本ができあがります。

加えてコスト的なメリットがあるのも魅力です。紙は1㎏あたりの単価で取引されるので、軽い方が安くなるのです。元の値段は嵩高紙の方が通常のコート紙より高いですが、重量の軽さでトータルお安くなる場合があります。

印刷用紙で有名なのはb7トラネクストという銘柄。この紙は印刷も綺麗で、コスパが良いのでおすすめ。ざらっとした質感を求める場合はOKアドニスラフやモンテシオンあたりが定番でしょうか。

コート紙で作った図録よりも、嵩高紙であるb7トラネクストで作った図録の方が圧倒的に軽い!最近の展覧会の図録は、昔に作られたものに比べてだいぶ軽くなっていることが多いですよ。


濃く、鮮やかに。-彩度の高い色

最近は歴史ある紙の色リニューアルも多いですね。タントやマーメイドもリニューアルされましたが、ビビッドな色が増えています。

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昔は書籍の見返しに使われることの多かった特殊紙。ややクリーム色の本文用紙に合うように少し鈍い色で作られていたそうですが、時代は変わり、何となく古く感じるのも事実です。廃品になるのは寂しいので、こうやって時代に合わせてアップデートしていくのはいいことだと思います。

あとは技術の進化でより深くて濃い色が表現できるようになり、真っ黒・真っ赤などが追加で発売されることも多かったですね。定番商品(NTラシャ、ケンラン、OK ACカードなど)には一通り追加されていきました。


ナチュラル感が魅力。-大和板紙のボード紙

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すっかり定番化したのが大和板紙さんのボード紙を使った装丁やパッケージデザイン。古紙を使ったならではのナチュラル感と比較的お安い価格帯が人気の秘密ではないでしょうか。

今年の新製品はバルキーボール!おや…低密度で嵩高だそうですね…。板紙も嵩高の時代!やはり嵩高紙は定番化したようです。


少し流行りは落ち着いたかな?-片艶晒クラフト

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片艶晒クラフトとは、茶色いクラフト紙の白バージョン+片面をプレスして平滑に仕上げた紙です。表面つるっと、裏面ざらっとの二面性が魅力だったりします。

一時期、装丁やリーフレットでめちゃくちゃ見た気がする片艶晒クラフトを使ったデザイン。ざらっとした裏面に印刷するのがミソだったり。トレーシングペーパーほどではありませんが、少し透け感があるので、そこを利用した使い方もよく見ました。最近は前ほど見ない気がするんですよね。こちらは定番化というよりはブームだったのでしょうか。

クラフト紙も可愛いので、また改めて別記事で書きたいなあと構想中…。


紙のトレンドはファッションに比べて緩やかだと思うんですが、それでも流行は存在します。長い目で見ると、本やパッケージに使われている紙が少しずつ変わっているはずですよ。私も緩やかに追っていきたいなあと思っています。

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