ぶどうのツルの誘引方法

写真1.S字誘引の例

 春に行う芽掻きで枝ぶりを整えるのが理想なのですが、出て欲しい場所から元気な芽が出なかったりするので、別な場所の元気な枝を無理やり誘引したくなることがあります。今後の中核となる枝がカミキリムシの食害で途中で枯れたりするので、今回は他の場所から枝を強引に誘引する作業に追われました。
 写真1は元気な枝が密になっていたのをずらして、できるだけ葉に満遍なく光が当たるように枝の位置をずらした例です。

写真2.絡める紐の根本

 曲げたい枝に紐を掛けて力を加えると枝の根元に力が集中して折れやすいので、枝全体に紐を絡(から)め、絡めた紐を引っ張ったり、紐の途中を引っ張るのが枝を折らずに強く誘引するコツとなります。写真2の様にまずは支柱に紐を固定し、そこから紐を枝に螺旋状に絡げます。

写真3.誘引の力を加えた場所

 今回は葉の重なりを改善するために枝をS字に曲げたくなりました。枝を紐で直接引っ張ると(風が吹いたときに)枝が折れやすくなります。枝の途中で向きを変えるために写真3の様に、絡げた紐に力を加えて曲げました。たまたま手元に白い荷造り紐があったので使用しましたが、この紐は紫外線で数カ月後にはボロボロになります。麻紐か黒い紐の方が良いのですが、数カ月後頃には枝の形は固まりますので今回はこれで良しとしました。

 今回整備したぶどう棚は函館近郊なので7/4においてもまだ花が咲き終わった直後といった生育状態でした。東京のぶどう棚では丸々と実が太ってきていて、もうすぐ身の色が変わり始めるはずです。東京と函館は2ヶ月以上季節がずれている感じです。
 今年(2022)は太平洋高気圧が強大なので、関東は空梅雨からの6月末の梅雨開けで猛暑となる一方、梅雨前線は津軽海峡あたりに押し上げられ道南が梅雨状態となっていました。


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