ぶどうが成長する季節
間もなく梅雨入りですが、暑い日が続いているのでぶどうのツルがどんどん伸びています。我が家では二階のテラスの日除けとしてぶどう棚を作っていて、だんだんとそれらしくなってきています。戸建ての家であれば敷地が狭くてもぶどうを育てることは難しくないです。
4月頃からぶどうの木から新芽が出ます。前年に葉が付いていた節からほぼ芽が出てきます。そのまま放置するとジャングルになるので、秋頃に葉の重なりが酷くならないようにツルとツルの間隔がある程度空くように新芽を間引きます。その際に計算の基となる情報は葉の最終的なサイズとツルが伸びる長さです。
葉のサイズは品種にも依存するのでしょうが、このぶどうの葉は直径が15~20cmくらいになります。ツルが伸びる長さは、実を付けると1.5m~2mですが、実を付けないように花を取り去ると一年で6mくらい伸びます。
ぶどう棚は二階のテラスにステンレスパイプで枠を作り、ロープを引いて伸びたツルを絡ませたり支えたりしています。従って、地植えしているぶどうは4~5m伸びる事でやっと棚の上に到達します。なので、最初の2年は花を全て取り去りツルを伸ばす事を優先させました。3年目になるとぶどう棚の途中まで枝が届いたので実を付けさせ始め、現在は4年目なので ある程度計画的にツルの配置を設計できるようになりました。
ぶどう棚は二階のテラスに程よい日陰を作る役割もあるので、あるツルの葉と隣のツルの葉が少し重なるくらいが丁度良いのです。棚の枠はステンレスパイプなので変更は難しいのですが、その内側はロープなので自由にピッチを変更できます。太さ3mmのロープを横方向に張り、太さ2mmのロープをツルに巻いて縦に引張る事で望み通りの方向にツルを誘導しています。ツルとツルの間隔は25~30cm程度です。ビニタイで所々縛って誘導する手もあるのですが、急に曲げようとすると折れますから、細いロープを巻きつけて緩やかに曲げる方が連続的にきれいに曲がり、折れを防止できます。巻きひげは何かに触ると数時間で巻き付くので絡ませたいものに巻き付くまでツルを寄せるのにビニタイを使う事はあります。
5月には花が咲き実が付き始めます。花は新芽の根本から一番目と二番目のひげに付きます。三番目以降のひげにも花が付くことはありますが稀であり花数も少ないです。基本的には一つのツルに一房となるように実も間引きます。更に、花が終わって実が付き始めたら受粉が不完全であろう小さな実を取ります。農家であればホルモン剤で完全受粉相当にしてしまうのでしょうが、自然に任せるとまばらな実の付き方になります。左の写真は不完全な小さな実が付いている状態、中央はそれらをだいたい取り除いた状態、右の写真は3日後で、既に実が膨らんでいるのが判ります。
この状態だとみすぼらしいのですが実が膨らんでくると隙間が埋まり、それなりの形になってきます。商品として売るわけではないのでこれで良いのです。ツルに近い根本から熟すので熟した粒から一粒毎に順次食べていきます。なので、先端の粒は最後に採ることになります。
梅雨が開けたら袋掛けしないと鳥に実を食べられてしまいます。芋虫に葉を食べられ始めるのもこれからです。食われた葉は判りやすいのですが、その近くに芋虫が居るとは限りません。既に移動している事が多いのです。それとは別にテラスの地面に芋虫の糞が転がっていることがあります。その直上を注意深く探すと大きな芋虫が見つかります。多分、腹一杯になって糞をするときはあまり動き回らないのでしょう。
我らの心強い味方はアシナガバチです。植物の葉の周りをホバリングしながらぐるぐると偵察し、芋虫が見つかると連れ去ってくれます。近くに人が居ても慌てなければ刺されることはまず無いです。アシナガバチに攻撃されるのはアシナガバチの巣を揺らしたりしたときくらいです。人間から攻撃しない限り襲っては来ないので静かに見守りましょう。害虫を食べてくれる友なのですから。近くに巣を作ってくれると、その年の虫害は大きく軽減します。アシナガバチが巣を作りたくなるような巣箱の情報があれば欲しいくらいです。