【カテーテルアブレーション体験記②私の症状歴】
手術をするまでかれこれ20年近く付き合ってきた、私の発作性上室性頻拍の症状ヒストリーについて、お話しします。
■学童期(小学生~高校生)
とりわけ大きな病気や怪我もなく、いたって健康な学童でした。
小さいころに水泳を少し。中学から部活動でバドミントンを始め、死に物狂いなフットワーク練習やノック、4kmラン…そこそこ上手になって、試合とかもでてました。
ふとしたときに、心臓がぎゅと持ち上げれたように感じることがありましたが、しばらくしたら止み、特別困ったこともなかったので気にしていませんでした。というよりも、誰でもこういうことはあるんだろうと思っていたので、別段親や友達に話すこともなく、過ごしていました。
■学生期(大学生)
不整脈の発作だったと発覚した「その日」は、突然やってきました。
とある夏の日、バイト(居酒屋)先にて。なんとなく気だるく体が重たいような、けどそのうちなんとかなるだろうと自転車でバイト先へ。けど一向によくならず、顔色が悪かったのかバイト先のおばちゃんに「大丈夫か、ちょっとおいで」とよばれ、「あんた、脈が早いわ、これはしんどいわ。かわいそうに、今すぐ病院でみてもらい」と。
ふらふらしながら、もう一度自転車にのって自宅近くまで戻り(なぜ最寄りの病院に行かなかったのは謎)、診察を受けて、その時に初めて自分に生まれつきの不整脈があることを知りました。
医師「健康診断でひっかかったことなかったん?」
芋「はい、一度もないですよ」
心臓の断面図と、脈拍の神経がかいた図(これ以降、何度となくみることになった図)を使い、私の身に何が起こっているのかを説明してくれた。
医師「心臓は電気信号で動いてるんやけど、ここに余分な神経があって、そこでくるくるまわってしまうねん。一回分の刺激で、何回も拍動してしまう。治そうと思ったらカテーテルをいれる手術があるけど、しばらく様子を見ながら考えてみて。発作の原因は不明やから、特に運動制限とかはありません。発作時の頓服薬を出しておきますね」
芋「この薬飲んで、止まらなかったらどうしたらいいの?」
医師「すぐに救急車を呼んでください」
不整脈、そして救急車・・・初めて聞いて驚いたが、心臓の手術なんて怖いから、特段考えなかった。
ちなみに、バドミントンは大学でも続けていて、結構激しくやっていたし、試合も出てた。卒業前最後の合宿中に発作が起きてしまい、自力で止まらず、近くの病院に連れて行ってもらう。急患扱いですぐにみてもらえ、注射(とんでもない頭痛をともなうやつ)で止めてもらう。
「心臓発作」ってことで、周囲をわりと驚かせてしまった。
■社会人(20代)
大学卒業後は社会人となり、平日は営業職としてばりばり働き、休日は職場の先輩たちとわいわい遊んですごした。
ときたま発作はあったけど、自力で止めれた。病院にはお世話にならなかった。
■社会人(30代前半)
長らく病院のお世話になっていなかったんだが、ふとした平日の昼間、職場で発作が起きた。息んでも止まらず、参った。フロアに横にならせてもらい、自力救済を試みるもよくならず。たまたま最寄りの大きめの病院に「心臓血管外科」があり、よろよろしながら駆け込む。
受付を澄ませ、診察を待っている間に、、、、止まった。念のため心電図で見てもらったが、止まっていた。やれやれ一安心、なのだが、同じくここでも周囲を驚かせてしまい、その日は早退をさせていただく。
■社会人(30代後半)
ここから一気に発作の頻度が高くなる。
転職をしてちょうど数か月たって慣れてきたかな~ってころに、職場で発作。止められない、マズイ・・・が新しい会社付近の土地勘がなく、病院を調べてるゆとりもない。ついに救急車か・・・。
芋「すいません、ちょっと心臓の発作が起きてしまって、これから病院いくんで早退します」
上司「!?」
相手は仰天。
上司「え、大丈夫?で、どこの病院いくの??」
芋「いやー、ちょっとこのへんわからないんで、会社出たら救急車呼びます。」
上司「!?!?ちょっとここで待ってて」
上司はあたふたしながら総務やら警備室に連絡したり、なんやかんやしてくれた。しばらくうずくまって待っていると、保健師さんが血圧計を持って現れた。周囲も何事かとおもい、注目が集まり、とても恥ずかしい。ピーポーピーポーと聞こえると、ストレッチャーをもって救急士さんがフロアへ。のせられて社内を移動し、会社のエレベータを使い、運ばれる・・・
不整脈科のある病院へ到着し、心電図。「ああ、発作だね~」と診断されて、ずいぶん前にお世話になったあの超頭痛くなる注射か・・・と思っていたら、医学の進歩?で、点滴で止められるという。
投入してから30分くらいだろうか。ピッピッピッピと小刻みに刻んでいた私の心拍が、ふと、ピ、ピ、ピ、ピ、と穏やかになる。ぐわっと持ち上げられていた心臓が、元の位置にもどったような感覚へ。
頓服薬をもらう。
しばらく忘れていたら、旅行先で温泉を楽しんだ後に、急に発作。もうすぐお楽しみの晩御飯だというのに止められない。一緒に来ていた彼(現オット)はあたふた。が、ここでは頓服薬でスッと止まった。
数年後、出張中の宿泊先で発作。そんなに早くはないけど、あきらかに心臓に違和感。薬を飲んでも止まらない。ま、でも寝たら治るやろ・・・と眠りについたんやけど(寝れるもんだ)、朝起きても変わらず発作中。マズそうなのでタクシーで病院へ。点滴で止めてもらう。
芋「薬飲んだんですけどねー」
医師「薬や点滴でも、耐性ができて止まらなくなることがあります。そろそろ手術を検討してもいいのではないですか」
とはいえ手術は怖い。ま、発作も年数回レベルだし・・・。
・・・と思ってたら、その2週間後に職場で発作。薬を倍量飲んでも止まらない。タクシーでかかりつけの病院へ。つい2週間前と同じ状況に。
医師「これからお薬使います。いったん脈拍をリセットするために、一瞬だけ心臓を止めます。けど一瞬なんで大丈夫です」
芋「!?」
看護師さん複数名に見守られる中、注入。ものすごい頭痛が走る・・・身に覚えがある!学生の時に打たれた注射、あれって心臓止められてたんだ!!・・・が、じきに止まるでしょう・・・・・・・止まらない。
次にいつもの点滴。30分近く経過して、ようやく止まる。
医師「これでとまらなかったら、電気ショックでしたよ。危なかったですよ」
芋「!?」
医師「手術をしませんか?完治できるものなので、もう一度検討を」
芋「はい・・・」
手術を受けるにも事前検査が必要なので、次回しましょか、予約を取って帰ってくださいね、と言われて終了。
診断されてから、かれこれ20年。ようやく観念し、手術を決めました。
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