Q&A「花・ブーケって娯楽ですよね。何のために必要なのですか？」
こんばんは。
ブーケアーティストの咲凜（えみり）さとです。
ご質問をいただきました。今日時点でのご回答を綴らせていただきます。加筆修正を加え続けて参ります。
花・ブーケって「娯楽」ですよね。差し迫った問題とか緊急性が存在しないですよね。どうして必要なのですか？なんの意味があるのですか？
機械の「あそび」
最初に、花・ブーケとは全く関係のない「機械」のことに触れます。
機械や物には、「あそび」が設けられています。操作が実際の動作に影響しない範囲を設定したり、部品同士にわざと隙間や空間が設けられています。
例えば、車のハンドル・ブレーキ・アクセルは、ちょっと触れただけでは車は動かないように設計されています。
寝室のベッドだと、本体と脚ををつなぎ合わせるネジに「あそび」が設けられています。完全に密着しないように、あえて隙間が儲けられています
「あそび」を無くすとどうなるか
「あそび」が無くなると、どうなってしまうのでしょうか？
ハンドルやブレーキ・アクセルに「あそび」が無いと、軽く触れただけで車が動いて危険です。運転手は緊張の連続になりますし、歩行者側も安心して道を歩けなくなります。
ベッドのネジをガチガチに締めると、ベッドは壊れやすくなります。ネジは、ある程度までは伸び縮みして変形するようにできています。ある一定の域を超えると、形は戻らず壊れるからです。
機械やものは、「あそび」があるからこそ、耐久性や安全性が確保されています。
心の「あそび」
機械と同じく、人間の心にとっても「あそび」はとても大切です。ガチガチに緊張し続けたり負荷が掛かりすぎると、心もポキっと折れてしまいかねません。
娯楽やエンターテイメント・趣味・芸術に触れることは、心に「あそび」を与えてくれます。夢中になって遊んだり、無心になって何かを創作することも、心に「あそび」を与えてくれます。
心に「あそび」を与えると、人は感じる心を取り戻すことができます。
大人になると、無心になって何かに没頭したり、無駄に遊ぶことが減っていくのかもしれません。日々の生活に追われて疲れていたり、自分以外の誰かを優先していると、心は感じることを忘れていきます。
機能・効率・無駄を省くことを追い求めることも、「あそび」を奪い感じる心を置き去りにします。
私事ですが、職場で良いアイディアが出るのは、同僚や取引先と「無駄話」「バカ話」をしている時が大半です笑。場が和んでリラックスしている時ほど、みんなから良いアイディアが出てきます。
幸せとは
ウェルビーイングという言葉があります。「幸せとは、心・身体・社会的なつながり、そのどれもが良好で満たされた状態であること」だと定義づけられています。
心と身体は、密接な関係があります。食事・睡眠・運動は、身体の健康だけでなく心の健康にもつながります。心に「あそび」を与えて、心を動かすことも心の健康につながります。
花・ブーケに触れることも、心に「あそび」を与えてくれます。一見すると「無駄」で役に立たないように思えますけれど。花は、あなたの心を目一杯動かしてくれます。
心の豊かさ
あなたにとって、心が豊かな状態はどんな時ですか？
私にとっての心の豊かさは、幸せを感じられるときです。
美しいものを見て美しいと感じるとき
美味しいものを食べて美味しいと感じるとき
悲しみを感じられるとき
怒りを感じられるとき
楽しみを目一杯感じられるとき
満ち足りた気持ちになれるとき
安全が確保されているとき
感謝できるとき
つながりを感じるとき
安らぎを感じるとき
優しさに触れたとき
優しい気持ちなれるとき
このままの私で良いと思えるとき
主体性を保てているとき
好きなものに触れているとき
好きを感じられるとき
楽しみな予定があるとき、など
心配事とか悩みとか嫌な出来事があると、そのことが頭から離れなくなってしまうことはありませんか？
問題を抱えていると、時間の変化を感じられなくなって、お先真っ暗に感じてしまうことはありませんか？
そんな時にも、花は、気持ちを切り替えてくれます。
花に触れている間は、抱えている問題を忘れることができます。季節ごとに花は変化します。花に触れ続けていると、時間の流れを確実に感じることができます。
花・ブーケって娯楽ですよね。何のために必要なのですか？
私からの回答は、「花に触れることは心を豊かにしてくれるから。それが、幸せにつながるから」です。
今日もお読みいただきありがとうございます。明日も素敵な1日になりますように。
咲凜（えみり）さと
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ご案内
ザ・ペニンシュラ東京で開催するブーケセッションです。第三回9月28日の次、第四回は2025年1月25日「幸福の画家〜春のブーケ〜」でまいります。
2024年9月〜2025年12月迄のブーケ・セッション年間スケジュールです。
花まみれの空間で、ご参加費用はご飲食代だけで開催の「お花し会」です。
深く一対一でお花しされたい方へ
膵腫瘍の闘病中に、偶然ブーケと出会い救われた時代のことをYouTube講演いたしました。