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【梅豆知識1】青梅の毒について

「戦後は食べ物がなかったから、お腹を空かせた娘さんや子どもが、青梅を食べてしまってぽっくり亡くなってしまったことが結構あったんだよ」

先日の農園で、御年80後半のお姉さまから聞いた言葉です。

青梅に毒があることは話には聞いていたけれど、実際に亡くなってしまった人がいたという事実を聞いたことは初めて。私にとっては衝撃的なお話でした

梅は「バラ科」の植物で、果実は一般的に加工して利用されます。
しかし、未熟な果実や種の中心部には毒成分があるそうです。

今はまさに青梅の季節。このタイミングで改めて「梅の毒」について調べたものをまとめてみました。

青梅の毒とは

毒成分の名前は青酸配糖体の「アミグダリン」
青酸配糖体とは、糖と青酸が結合した物質です。
酵素により分解されて青酸を出し、中毒を起こすそうです。

症状は

頭痛・めまい・発汗・痙攣・呼吸困難など

危険な量は

生の青梅の種や果肉に含まれているこの「アミグダリン」
成人で300個、子どもだと100個食べないと深刻な影響はでないそう。この量を食べるということは、現実的ではありませんね。

最も注意すること

とはいえ「幼い青梅」には注意が必要。
特に、種には青酸配糖体が果肉より10〜20倍含まれているそうです。

毒には意味がある

青梅に毒があるには理由があります。それは「未熟な種を守るため」です。
よって、梅の実が大きくなり種が堅くなるにつれ、毒を使って種を守る必要がなくなってきます。青酸配糖体が分解されて、人間にとっては食べやすくなります。さらに、漬けたり干したりするとより分解されて、おいしく安心して食べられるそうです。

一番気をつけたいこと

幼い青梅は身近にあるものです。お子さんなどが興味本位や間違って口にしないよう、知識の伝達や注意喚起は必要ですね。

最後に

私は「毒と薬」とは表裏一体な存在だなと思っていました。なので、青梅に毒があるという話には納得感があったことを覚えています。そして、先述の娘さんのお話も含め、先人の経験と知恵はこれからも大切にしてゆきたいと、改めて思った次第です。




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