舞台に上がる心持ち
僕はダンサーとして、表現者として、たくさん人前や舞台に立ってきました。
こちらに注目してもらうからこそ、無駄な時間を過ごしてしまったと思われないよう、準備できることはとことんやります。
世の中の表現者には「妥協してるんじゃないか?」「楽しようとしてるんじゃないか?」と思ってしまう人もたくさんいます。
お金を払ってきてくれる人の満足ポイントは色々ありますし、よそはよそ、うちはうちなのですが。
とりあえず僕の目につく範囲の「表現」に関しては、僕はとても厳しい目で見てしまいます。
「表現」にはわかりやすい参考金額が無いからこそ、お客さんの満足度は一番大事になってくるのです。
どこまでやるのか
ダンスは特にですが、振り付けを渡し構成を作ったあとは細かい修正ばかりなので、重箱の角を突くような作業が続きます。
途中からこんな考え方になってきます。
「どこまでやるのか」
「どこまで指摘するのか」
「どこまで作り上げるのか」
「全部やるねん」と僕は自分に言い聞かせます。思い浮かんだこと、思い浮かんだ企画、思い浮かんだ修正箇所は全部やる。それが満足度を一番簡単に上げられるコツだと思います。
思い浮かんだものを全て書き出していって、どんどん実行していく。時間やお金は言い訳です。作戦を練ればいくらでもどうとでもなる。
「なんて豪華なんだ」「なんて素敵なの」
そう感じてもらいたいがためだけに僕は尽力します。
本番に出せる力は80%
舞台上で本番のように練習できる回数はある程度決まっています。舞台を1日借りるだけでもいいお値段ですからね。本番は、緊張やお客さんの視線、いつもと違う床、謎の冷静さなど色々なことがつきまといます。
本番で100%のパフォーマンスできる人なんてほとんどいないでしょう。
僕は準備段階で、想像している125点のものを作って出ることを目指しています。そしたら自分の中で80点しかできなくても、お客さんから見れば105点です。
準備しすぎて悪いことは何も無いです。125%準備して本番を迎えましょう。
結局1人では感動させられない
本番を終えるたびにこれはしみじみと感じます。
感動する瞬間というのは、1人の力ではなく「一体感」や「一人一人つないでいくリレー」「連鎖」で感動します。
1人だけが頑張っても、1人が頑張ったエネルギーとして客席に飛んで行くだけ。
一体感は、出演者だけでなく音響、照明など裏方も全て込みです。照明のタイミング、音のタイミングが少しずれるだけで冷めてしまいます。逆にここ!というポイントでシーンが展開していくと、鳥肌が止まりません。
一体感や連鎖は、まとめ役だけの仕事ではありません。個人の努力が連鎖していくのです。個人の妥協のないクオリティが周りを変えていくものだと思っています。
表現物がクオリティをめんどくさがってしまうことは、表現することを放棄したと僕は考えます。
言い訳はいくらでも思いつきますが、見た人の記憶に深く刻めるような作品、表現をもっとがんばって行きたいと思います。
更新日:毎週月曜
Instagram:@satochen.s
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