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ゴールデンシバスキー、そんな犬種はないですが ー2

外飼いから室内飼いへ

かねてから、この子を室内飼いしたいと願ってきたのですが、実家で母の世話になっている障害者の私が、家の中で彼の世話を焼けるはずもなく、半ば諦めていました。
でも外飼いでは彼の体が心配で、どうにかして家の中でと、さまざまに画策してきました。
そして、犬を室内飼いできる環境に引っ越す機会を得ることができました。こんなことがあるだろうか!という幸運に恵まれたと思います。
私がリードを引いても制御できるようになっこともあり、この子を連れて一人暮らしをスタートさせました。
彼が10歳頃です。10歳にして初めての出来事をテツはたくさん経験しました。

実家にいた頃のテツ。顔が怖いな

例えば、車に長い時間乗ること。
子犬の頃、車酔いですぐ吐いてしまうので、病院以外は車に乗せないようにしていました。
ゆっくり運転、ゆっくりブレーキ、休憩たくさん、そういうドライブを少しずつ増やして車に慣らしていきました。
今は車に自分から飛び乗ってきます(一発ジャンプでは飛び乗れなくなってきていますが)。
車は「楽しい外出」とわかっているようです。

例えば結構な頻度のシャンプー。
テツは水が大嫌いでシャンプーに連れて行くと固まってしまいます。
外飼いの時は、嫌なら無理くり洗わないでいい、という母の考えでしたが、家の中で飼うからにはそうも行かず、少しずつ頻度を増やして慣れさせました。

初サロンでシャンプー後のテツ

例えば家の中で人間と一緒に過ごすこと。
10年、犬小屋で過ごしてきたテツは、家に上げても落ち着かない様子でした。
「そこにいていいんだよ」
何度も言って聞かせます。
また、散歩の後の足拭きは、慣れないうちは嫌がって大変でした。
足(多分肉球)を触られるのが嫌で、触らせまいとします。
初めの頃は力技で拭いていましたが、現在は散歩から帰ると自分から「どうせ拭くんでしょ」と言わんばかりに、足を出してきます。

それは甲状腺の病気

引越し先の家主さんも大きな犬を飼っており、犬に理解があって、一緒に散歩に連れて行ってくれたりシャンプーに付き添ってくれたりと、協力してくださいました。
ですがテツはますます、しょんぼりしていきます。環境が激変したことが体に応えているのだろうか・・・。
連れてきたことを後悔したくないのに、後悔しそうでした。

家主さんのアドバイスで、新しい土地の初めての獣医さんに診てもらうと、甲状腺ホルモンが自分で分泌できない病気だと言われました。
実家の近くの獣医さんには、ただの老化だと言われ続けてきたのに、犬だって、時には医者を変えるのも大事・・・!
診断がついてよかったです。

八畳一間の間借りだったので、私の机の下が彼のベッドになった

治療効果テキメン

ホルモンの薬を飲み続ける必要があると言われ、その薬代に怯みましたが、数ヶ月も飲ませ続けると顔つきが穏やかになり、皮膚がきれいになって尻尾の毛もフサフサと生えそろってきました。
今度の家では、私の机の下が彼の居場所ですが、そこに引き篭もることもなく、外を見て、人が来れば吠えて知らせ、窓の外を猫が通ると、猛ダッシュ。
うつ病の疑いは晴れ、散歩の足取りには猛烈な力強さが戻ってきました。

実家で外飼いの時は、家族で1日外出する時はお留守番でした。
家族が数日いない時は、朝晩ペットシッターさんにきてもらってご飯とお散歩を頼んでました。
そういう寂しさからうつ病にさせてしまったのだろうかと、思い悩みましたが、病気がわかって、しかも治ってきたので(今も服薬中)、思い切って連れてきて良かったと思っています。

私を殺す気か

ところで彼の復活は、また私を悩ませました。
元気になると散歩での彼の引きが再び強くなり、散歩中5回ほど、私は転倒事故を被りました。
そのうち1回は肋骨と鎖骨を骨折する怪我、そのうち一回は骨盤の骨の端が欠ける怪我。
足の可動域の関係で、家の中でもつまずきやすい私。
外で転ぶと、地面にマッチ棒のように倒れ込むし(手で受け身が取れないため)、持病薬のせいで骨が脆くなっているしで、外での転倒は怪我しやすいのです。
仕方ない、決してテツのせいではない、自分がリードをきちんと制御できないからなのですが、倒れて唸り声をあげ痛みに耐えている時、しれっとクン活の続きをされると「誰のせいでこうなった!殺す気か!」と怒ってしまいます。

その頃ちょうど、いつも散歩させる公園に、避妊手術をしていない女の子の犬がおり、鉢合わせするたびにハラハラしていました。
それとこれとは違うかもしれませんが、去勢したら少しはおとなしくなるだろうかと家主さんと話し、かかりつけの獣医さんのアドバイスもあって10歳という年齢で去勢手術を受けさせることになりました。

今さら、という気もしましたが、病気のリスクも下がるとのこと。
甲状腺の病気を、顔を見ただけて診断してしまった獣医さんを信頼していたのも手伝っての決断でした。

手術後のテツ。エリザベスカラーをあちこちにぶつけて壊してしまった

手術は日帰り、無事成功。
手術前と後で大きな変化はなかったけれど、平穏な日々が戻ってきました。
そして、一難去ってまた一難がやってきました。

→3に続く

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