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車を売って、ドナドナの歌詞を知る

先日、 車を売りました。
2011年製の 車ですが、50,000キロも乗っていないものです。
きれいに使ったつもりなので、 きっと新しい方が気持ちよくまた乗ってくれると思います。
この車は ハンドルが重いので、両手に障がいがある私には運転できず、片手に麻痺がある夫も、もう1台のハンドルの軽い方をよく使うので、手放すことになりました。

ふと、ドナドナを思い出しました

可愛い子牛 売られてゆくよ
悲しそうな瞳で見ているよ
ドナドナドーナドーナ

https://www.worldfolksong.com/popular/dona-dona.html

車はモノですが、 手元を離れる時はなんだか悲しい。
新しい飼い主さんにかわいがってもらうんだよ。
そんな気持ちです。

ドナドナの歌詞が頭から離れないので、岸洋子の歌を聞きながら何気なく歌詞を検索していると、この歌の意味深さにギョッとしたので早速note。

2番。
つばめが出てきて、こいつは笑いっぱなしらしいのですが、すると農夫が
「牛になれと誰が言った? 鳥になれなかったのか?」
と子牛に聞く。
翼を持って生まれていれば自由に高く飛んでいけるのに。
そんなような歌詞です。

お前はこれから屠畜されるけれど運命なんだから仕方ないんだ、的な
抗いようのない絶望、諦観を行間に見出してしまいます。
(それにしても「牛になれと誰が言った?」って・・・そんなぁ)


個体識別情報検索


最近読んだインスタの記事に、牛の耳票を用水路で拾った話がありました。私は知らなかったのですが、牛の耳票は人間で言えばマイナンバーのようなもので、検索すればどこで育った牛かわかるのだそうですね。

その番号が書かれてある耳票には、番号だけではなく『ステラ』という名前が書かれていたのだそうです。
数年、乳牛として生き、そして屠畜場に向かう日、トラックに乗せられたステラは、それまで見たことのない風景を見、匂いを嗅ぎ、風を感じたのでしょうか。

そのうちに耳票が取れてしまったのかなと、投稿された方は想像しておられ、スーパーなどで肉を買うときは、そのパックに記載される番号を【個体識別情報検索】で調べ、これから食べる肉が、どこで生まれどこで育ち、どこで屠畜された動物のものだったのかを知って、一つの命が、そこで確かに生きてきたことを忘れないでほしい、そう結んでおられました。

https://www.instagram.com/p/C4MhPFFy0_k/?utm_source=ig_web_button_share_sheet&igsh=MzRlODBiNWFlZA==

(↑ 多くの方にこの投稿を読んでいただきたいのですが、勝手にリンクを貼っていいのか心配です。投稿者さんにご迷惑をかけたら申し訳ありません)

私はすぐには肉を食べない食生活はできないけれど、この話を読んでから、ステラのような動物のことを考えるようになりました。
できることをちょっとずつ・・・。

車にも運命ってあるのかな

切なくなったので車の話に戻ると、、、
そのように車でも1台1台、運命があるような気がしたのです。
別に事故ったわけでもないし、なんのトラブルもなかったし、キレイだし乗り心地もいいのにあまり乗ってもらえない車が、まさに今回売りに出したもので、前の持ち主は5万キロも乗っておらず、今回の私たちも5千キロも乗りませんでした。
世に出て10年はたっているのに。

中古車買取業者さんは、今にも雪が降りそうな空の下、あっという間に車に乗って連れて行ってしまいました。
いつも家に身を寄せるように、狭っこい軒下に停めていた車ですが、そこががらんとしています。
事前に、家族みんなで車の前で写真を撮ったりしましたが、あまりにあっけなくてちょっと寂しいです。
5年間ありがとう。
(逆に5年で5千キロも乗らなかったってすごくない?)

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