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影(11/13)

怒りと慈しみを往還し

忙しく漂う川のイリュージョン

その幻に夏の面影と君の笑まいを視れば

儚くも儚くも浮き立つ思い出とかつての恋

瞬時暗転する心の舞台

苦しくも暗くもある我が心に

一つのろうそくを朧に灯す

淡く仄かに照らし出される互いの面影を

遠景となった思い出に捧げれば

速やかに速やかに雲は流れ

暗い現実へと意識を戻し

一つ溜息、一つ微笑み、又忙しくも

現世うつしよなるこの世の闘いに身を投ずる、

その僕の一つの影がある


淡淡あわあわと夏と恋とは流れ去り冷たき肌に雪を迎える

花一つ君に捧げたふみ思い散らす花弁《はなびら》静けき波紋

令和5年11月13日

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