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刑務所での生活 ~手紙について~

はじめに

 前回は受刑生活で一番の楽しみは、面会という話をしました。今回は二番目の楽しみである手紙について話したいと思います。

 面会もそうですが、刑務所は閉鎖された空間ですので、やっぱり外の世界との繋がりを感じられることが幸せなんです。

 工場での作業で疲れて、部屋に戻ってきた時に、大切な人から手紙が届くと、日々の嫌なことは一気に忘れてしまいます。また、面会とは違い、手紙は手元に残りますので、何度も読み返せるのが素晴らしいところです。

受刑者と手紙のやりとりができる人

 受刑者が申請をして、認められれば誰とでも手紙のやりとりは可能です。ただし、受刑者と共犯の関係にある人や、受刑中に知り合った人など、受刑者にとって更生の妨げになると判断される人とは手紙のやりとりはできません。基準となるものさしはありませんので、すべて官の判断です。

手紙の受信上限

 受刑者が受け取る手紙に関しては、上限はありません

手紙の発信上限

 これも面会と同様ですが、受刑者の優遇区分(※)によって変わります。ざっくり言うと、受刑生活が始まったばかりの頃は一ヶ月で4通です。無事に半年間経過すると一ヶ月で5通に増えます。

 ※優遇区分についての説明は別の記事で行います。

手紙が受刑者に届く時間

 手紙が受刑者に届くのは、私が収容されていた施設では、平日の夕方でした。おそらくどこの施設でも同じだと思います。年末年始やゴールデンウィークなどの、長期連休中は受刑者の手元には届きません。ただし、速達や電報は休みに関係なく、受刑者に届きます。受刑者の中には、毎回速達で手紙が届く人もいました。

手紙を発信できるタイミング

 受刑者が手紙を発信できるのは、週に1回です。私が収容されていた施設では、配役された工場ごとに手紙を発信できる曜日が決められていました。祝日などで発信できる曜日がずれることもあります。ですから毎週手紙を出すと、おおむね毎週決まった曜日に届くことになります。

手紙の内容について

 手紙の内容は、受信・発信に限らず、すべて官の検査が入ります。検査の結果、不適当だと認められると、受信した手紙が受刑者の手元に届かないことや、発信した手紙が差し止められることがあります。それだけなら良いですが、内容によっては刑事事件になったり、調査・懲罰の対象になるので、手紙の内容についてはくれぐれも気をつけてください。

 文章の内容とは関係ありませんが、香水の匂いのついた手紙が届く受刑者もいました。刑務所のなかで嗅ぐ香水の匂いは、シャバでかぐ香りの何倍も良く感じます。異性に手紙を送る(特に女性から男性へ)ことがあれば、軽く香水の香りを忍ばせるのは、かなりおすすめです。

 発信する手紙に関しては、本などを郵送差し入れする際に、添付することもできました。別々に送るより、送料の節約になります。

まとめ

 今回は手紙について書きました。日々の生活に追われていると、手紙を書く時間をつくるのはとても大変だと思います。しかし、受刑者にとって大切な相手から届く手紙はすごくうれしいものです。また、最近ではメールやラインを使って、相手とやり取りすることが多いと思います。実際に文字を書くというアナログな手紙も、たまには良いものですよ。

 最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。この記事について、もし質問点や疑問点があれば、コメント欄に質問して頂ければ回答します。

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