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刑務所での生活 ~官本について~

はじめに

 今回は刑務所での官本についてお話します。

 刑務所では本を借りることができます。刑務所にいると時間は腐るほどあるので、たくさん本を読むことができます。

 本は自分で購入することができますが、官本といって借りられる本があります。自分のお金のない人や、本が好きな人にとってはありがたい制度です。

官本とは

 官本は官が用意してくれている、受刑者が借りられる本です。基本的には古い本が多いです。でも、中には最近の本もあります。そんな本は大人気なので、なかなか借りることができません。私が収容されていた刑務所では、本屋大賞にノミネートされた本が多いような気がしました。

 官本は基本的に小説や啓発本が多いです。中には漫画もありましたが、ジャンプコミックスのような、娯楽的な漫画はありませんでした。

 官本は受刑者が読むので、ちりちりの毛がはさまっていることが多いです。これは刑務所あるあるです。また、本当に勘弁してほしいのですが、本を読みながら受刑者は鼻毛を抜くのでしょう。鼻毛が付着している本も多かったです。

工場官本と特別官本の違い

 官本には工場に備え付けられている工場官本と、願せんで借りる特別官本の2種類があります。どちらも1冊ずつ借りることができます。

 工場官本は月に一度入れ替わります。工場の人数にもよるみたいですが、私が収容されていた施設では、60冊くらいが備え付けられていました。そのうち10冊くらいは新しい本ですが、残りは茶色く日焼けした、ベタベタする古い本でした。

 工場に配役されていない受刑者でも、その居室棟に工場官本が配布されているので、その中から借りることができます。懲罰中の受刑者は借りることができません。

 特別官本は願せんを書いて借ります。新しい小説や、資格の勉強をする本など、さまざまな本がリストになっており、その中から1冊を選んで借ります。願せんを提出して、しばらくすると手元に届きます。最大1ヶ月間借りることができました。

まとめ

 今回は官本についてお話しました。受刑者は暇な時間が多いので、たくさん本を読んでいます。受刑者になるまでは全く本を読まなかった人も、刑務所に入って本が好きになることが多いようです。

 本はたくさんの有益な情報が書いてあるので、時間がなくても読みたいものですね。しかし、塀の外に出ると普段の生活に追われ、本を読む機会がぐっと減ってしまうのが残念です。

 最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。この記事について、もし質問点や疑問点があれば、コメント欄に質問して頂ければ回答します。

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