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天国へいくときのはなし2

最期は静かに

大学を卒業して社会人になった春

わたしはふと行こうと思い

祖父の入院している病院へ向かった

祖父が入院しているのは緩和ケア病棟、いわゆる終末期医療

ご飯が食べられなくなっていた


病室へ入ると、毎日付き添っている祖母が居眠りをしている

ベッドで寝ている祖父は、とても静かに眠っている

とても、とても静かに眠っている


不安になって「おばあちゃん、おじいちゃん大丈夫?」

と聞き様子を見てもらうと「大丈夫だよ」と教えてくれた

たしかによく見てみると静かに寝息をたてているように見える

その数十分後


祖母がベッドの横で慌てている

「息をしていない」と。


たまたまその日は祖父の兄弟や遠くの親戚が病院に向かっている日だった


祖父はとても静かに寝てしまった

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