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【共通テスト2023年度理科②得点調整の可能性】得点調整とは?生物選択者への救いの手になりうるか?

先日行われた大学入試共通テストですが,理科②の教科で,予想平均点に大きな開きが出ていると話題になっています。

理科② 予想平均点

各予備校の予想平均点がこちらです。

  • 物理 河合塾64 ベネッセ駿台64 東進66

  • 化学 河合塾49 ベネッセ駿台49 東進49

  • 生物 河合塾39 ベネッセ駿台39 東進37

  • 地学 河合塾50 ベネッセ駿台50 東進51

理科②で,平均点の差が著しく大きくなっていることがわかると思います。

得点調整とは??

そもそも理科②は,多くの理系大学の共通テスト利用方式で採用されている科目で,有名国立大学などでは物理,化学,生物,地学の4つの中から2つを選択して受験する方法が一般的だと思います。
※これをD型なんて言い方もするそうです。
※理科②の科目は,高校では『専門理科』あるいは『基礎なし理科』と呼称されています。

今回のように科目間で平均点の差が大きくなると,科目ごとに難易度の差があるように思えてなりません。

『物理→簡単♪,化学・地学→難め,生物は激ムズ(怒)!!!』

受験生の心の声(想像)①

物理を選択者は問題が簡単でずるい!生物選択者は,生物を選択した瞬間で詰んでいた!?

受験生の心の声(想像)②

こんな声が受験生から聞こえてきそうですね。現に,SNSでは受験生が理科②の難易度の差に嘆き悲しんでいます。

そこで,教科の選択で不公平が出ないようにするための策が『得点調整』という制度です。

令和3年度 得点調整について
○ 1月16日及び17日に実施された共通テストのうち、公民と理科②において、20点以上の平均点差が生じ ました。
○ 共通テストでは、原則として、20点以上の平均点差が生じ、これが試験問題の難易差に基づくものと認められ た場合、得点調整を行います。
○ このため、得点調整判定委員会で審議を行い、センターとして得点調整を実施することを決定いたしました。
○ 公民及び理科②の得点調整の換算表は、以下の通りとなります。
なお、公民の「倫理,政治・経済」は、調整対象科目ではありません。  
また、理科②の「地学」は、受験者数が1万人未満のため、得点調整の対象としません。

令和3年度 得点調整について(大学入試センターHPより)
https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/kako_shiken_jouhou/r3/r3_tokutencyousei.html

過去の得点調整

https://www.dnc.ac.jp/albums/abm.php?d=81&f=abm00001236.pdf&n=令和3年度大学入学共通テスト(1月16日・17日)理科②換算表.pdf

2年前にも得点調整はされています。2021年度の共通テストは今年度とは真逆で,平均点が物理62.36,化学57.56,生物72.64,地学46.65でした。

生物すごく簡単,物理普通,地学ちょいむず,化学難しい!

当時の受験生の心の声(妄想)

その結果,得点調整を行い,上の得点調整換算表のように素点の調整がありました。

この得点換算表で大事なことは,以下の2つです。

素点は減点されない

2021年度では,生物の平均点が一番高く,地学よりも25点も多かったのですが,生物の素点の得点調整行われていません。

つまり,<一番平均点の高かった科目を基準とし,それに合わせて平均点の低かった科目の素点を底上げする>というやり方なのです。

得点上昇は0〜7点以内※公民では最大8点

気になるのは,やはり<得点調整で得点はいくら上昇するのか>ですが,2021年度では,理科②で最大7点,公民では最大8点でした。あまり変わらなくない?って感じですよね。

しかし,実は,2021年度では得点調整は理科②の地学で行われていないんです。※受験者が1万人を超えないと得点調整はないらしいです。

どういう計算で換算表が作られているかはわかりませんが,理科②は平均点の差が地学抜きだと最大15.08点,公民は14.93点でした。
※現代社会58.40,倫理71.96,政治経済57.03

今年度の理科②では,科目間平均点の差が最大25点以上ありそうなので,2021年度よりも大きな得点調整が行われてもおかしくはありません。

しかし,2021年度を見つかぎりでは,『平均15点違うから,そのまま15点上昇』というやり方はしていません。
実際は平均点が最大だった生物の平均点付近で最大7点の上昇。
これは平均点の差の半分にも達していません。不公平という言葉も出てきて当然のように思えます。

平均点の差だけでは,得点調整の具合はわからなそうです。

受験生の今後の動き

1.得点調整換算表の発表を待つ

今,受験生は自己採点の結果を各予備校へ送り,予備校の全国集計や大学志願分析,自分の志望校の合格判定シュミレーションの結果を待っていると思います。

大学入試センターが平均点の中間発表を行った後に,得点調整判定委員会で審議を行い、センターとして得点調整を実施するかどうか決めているようです。

採点結果の中間集計を1月18日午後に発表し、得点調整の有無を20日午後に決める予定とのこと。

2.換算得点をもとに,合格判定システムの更新後にもう一度合格判定シュミレーションを行う

換算得点によって仮に9点の得点上昇があれば,5教科7科目900点満点の倍,得点率に1%も影響があります。大学入試の1%は僅差ではありません。志願者の中で同水準の大きな集団(ヒストグラムのピークのような場所)に自分も位置していた場合,その1%で一気にその集団を抜き去ることができます。

なので,わずかな得点の変化でもしっかり新しいシステムで合否判定を行いましょう。

3.モチベーションを維持し,二次試験まで準備する

これが一番大事です!

この時期は,結果に一喜一憂して勉強に身が入らなくなる受験生も少なくありません。

受験生にとって,今が一番成績が伸びる時期です。指数関数的に伸びるのは受験直前ということは,努力し続けた受験生なら身を持って理解しているはずです。

出願のためのリサーチをしつつ,自分の勉強を見失わないようにしたいですね

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