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【着物コラム】着物は「大事な服」だから価値が高い?


こんにちは、着物コーディネーターさとです。

先日、箪笥にしまいっぱなしであったと思しき着物をどっさり頂きました。
「着物が好き」と公言していると、箪笥の中に入れっぱなしだった着物を、「全部あげる!」と、どっさり頂く事が案外多いです。
特に小紋~普段着クラスの着物は、現代では多くの人にとって不用品なんですよね。
着ていく場所も機会もない人が大半ですから。

着物ならいい値段で売れるのではと業者に査定してもらったら、
査定額が子どものお小遣いくらいの金額だった、なんて話もよく伺います。
残酷な事実なのですが、現状、着物の需要はとても少ないので、
需要と供給のバランスを考えれば至極当たり前の事だなぁ、とも思います。



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不用品になった着物の価値とは何か


お話を伺っていると、着物が不要で買い取りを依頼する方は、
不用品の着物を希少価値の高い物、高価な物として認識しているパターンが結構多いです。
冷静になれば、先述の理由に気がつくはずなのですが、なかなかそうはいかないようです。
どうしてかと言うと、
自分は着用しなくても、着物に対して特別な思い入れがあるからです。



昨年、米国のソーシャライト、キム・カーダシアンが
自社製品の下着をKimonoと名付けると発表して大騒ぎになった際にも感じたのですが、
日本人は着物を「特別な日に着用する特別な衣装」として認識している人が大変多いですよね。
産業として衰退はしているけれど、着物=大事な服と認識している人はまだとても多い。

しかし、その「お気持ちの部分」での価値の指標は、古物としての着物の価値、すなわち価格とは直結しません。
着物に限らず全ての物に言える事なのですが、
着物=大事な服という個人の認識は、買い取り価格の査定には全く関係がないんです。
対外的な評価とは無関係だと言い換える事もできると思います。


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自分の大事な物は他者にとっても大事な物なのか


伝統や日本文化は素晴らしいものだと感じています。

しかし、
それでも、私は「伝統だから」とか「日本文化だから」という理由で、
着物をファッションとして選んでいません。

シンプルに「着物が好きだから」着ています。

それは衣服としての着物を美しいと思っているからなのですが、
着物を着ていると、どうしても
「やっぱり日本人は着物だよね」とか
「伝統を受け継ぐってステキね」とか
ちょっと的外れな共感のコメントをしてこられる方とも出会います。
(じゃあ日本人以外は着物着ちゃダメなの?とか、
じゃあ現代アートや最新テクノロジーはステキじゃないの?とか言いたくなりますが、堪えています。笑)

着物という存在をどう思うか、までは個人の自由だと思います。
色々な方がいて当たり前ですし、人の数だけ考え方の種類があります。

しかし、個人の思いは、物品の価値や他者の価値観とは別の問題です。
「これは私の大事な物なの、だからあなたにとっても大事よね?」
というのは感情の押し付けでもありますよね。
心のうちでは同意していなくても、心優しい方は
「あ、はい、そうですよね」と言って下さると思います。
が、その後は無言で離れていくのではないでしょうか?

着物に限らず、日本の伝統産業って全体的に縮小傾向ですよね。
後継者不足、市場とマッチングできていない、等色々な問題があると思いますが、
伝統だから大事
技術的に難しいことをしているから価値が高い
というマーケティングも原因の一つなのでは?と私は思います。

自分にとっての大事な物が、他者にとっても大事な物なのか、
立ち止まって再考し、表現や手段を変える事も、
とても大切な事だと思います。
着物は大事な服で日本の伝統です。
しかし、それは万人の共通認識ではなく、対外的な価値を決める指標にはならないんです。




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