【着物旅行記】着物で歩くレトロな街 明治・大正の面影が残る保内町(愛媛県八幡浜市)
こんにちは、着物コーディネーターさとです。
着物旅行記が続きます…今回もまた愛媛県八幡浜市です。
前回ご紹介した新町商店街付近は、江戸時代の雰囲気を引き継いだ木造家屋が多かったのですが、
ぐっと海に近づいて、保内町という場所を歩きました。
保内町は明治以降に紡績業や養蚕業で栄えた地域で、
その頃の面影が残る素敵な建物が多かったです。
まずご紹介したいのは、
古い家屋の多い住宅街の中で異彩を放つこの黒い建物。
旧白石和太郎邸洋館です。
明治30年代築との事。
戦後は「川之石ドレスメーカー女学院」として使用されていたそうで、
なんと姑はこの建物に通っていたのだそうです。
う。。羨まし過ぎる!!!!
毎月、第2日曜日の10:00~16:00は内部見学可能です。
玄関ポーチのレリーフまで、繊細で美しいです。
次の目的地を目指して川沿いを歩いていたら、
猫がこんなところを歩いていました。
この石の積み方も「矢羽根積み」と呼ばれる特殊な積み方なのだそうです。
猫が歩けるくらい石が出っ張っています。笑
立ち寄りたかった場所はこちら。
旧東洋紡績 川之石工場。
この赤レンガの大規模な旧工場は、
現在は地元企業の倉庫として使用されています。
実用されているってすごい事ですよね。
内部見学はできませんが、
宮内川沿いのもっきんろーどを歩くと、かなり近くで見ることができます。
この橋は美名瀬橋。鉄筋コンクリート製です。
この橋もすごくイイ味を出しています…
保内のレトロ建築は徒歩でも廻れるくらいの距離感なので、
お散歩に丁度良いです。
次に向かったのは愛媛養種(旧日進館)。
西日本で唯一、現在も営業している養種会社なんだそうです。
玄関口は洋館、奥は木造で、坂道に建っているのですが、
いつまで続くの…?と思うほどこの壁が続いています。
こちらにも猫。
やっぱり漁港と猫はセットなんですね。
この建物を知るまで全く知らなかったのですが、
大正時代くらいまで、愛媛では養蚕業もかなり盛んだったそうです。
当時の工業発展の速度が伝わってくる建築物でした。
こちらの可愛らしいフォントの建物はカワイシ醤油。
なんと現役でお醤油屋さんです。
こちらの建物は大正8年築。赤レンガの煙突が付いていました。
さきほどの愛媛養種もですが、
八幡浜市は、歴史的建造物がリノベーションされたりカフェになったりせずに、
そのままの用途で使用されているケースが多いです。
交通の便も悪く、観光地ではないのが大きな理由かもしれません。
さて、保内町には階段が激しめの金刀比羅神社があるのですが、
その付近にはこんな景色が広がっています。
「琴平赤レンガ小路」と小さなプレートがついていました。
漁港近くらしい木造住宅とレンガの塀は、
明治~大正時代の保内の隆盛の名残なのでしょう。
レトロ建築が観光産業と結びついている地域では、
こんな景色を見ることはありませんでした。
「歩けば歩くほど好きになる」と前回の記事でも書いたのですが、
本来の用途で今も使用されている、という素晴らしさは、
観光地化された地域では感じられない事だと思います。
八幡浜市の観光マップに保内の町並みも掲載されていました。
リンク先からPDFファイルがダウンロードできるので、
ご興味のある方はご覧下さい。
ちなみに、保内は公共の乗り物で行くことができません…
以前はバスがあったそうなのですが、廃止になってしまいました。
地元の学生さんは自転車移動をされているそうなのですが、
高低差がすごいので車移動の方がオススメです。