帰れないと思った日
電車を途中で降りてしまい3時間、ホームと駅トイレにいた日。
生理3日目だけど体調はまだ大丈夫だった。夜は何故か途中で目が覚めて眠りが浅かった。
大丈夫だろうと思い電車に乗りながら家族とLINEをして、気を紛らわす作戦までした。
電車が怖いからと時差出勤で混む時間帯も避けた。
大丈夫、大丈夫と唱えて深呼吸もして、あったかボトルも持って音楽も聴いて、タッピングもした。
でも、途中で降りてしまった。
情けない思いでいっぱいだった。
どうしても、どうしても乗れない…。
動悸、吐き気、息苦しさ。
バンジージャンプをする前のような恐怖と言えば分かりやすいか。血の気もひき、目の前が真っ白になる。
会社を休む罪悪感、自分への嫌悪感。緊張しながら会社に休む連絡をして少しホッとして、駅のトイレで落ち着いたらなんとか電車に乗って帰れるはずだった。
そうだったはずなのに気持ちも体調も落ち着かずトイレにこもりっぱなし。
何駅か歩いて帰ろうと思うもそれも人混みが怖くてめまいに襲われ、呼吸が浅くなってくる。
1駅乗って降りてトイレに行って休み休み帰ろう、たった数分だ、とホームに行くも足がすくんで目の前で何本も電車を見送る。頭では大丈夫だ、数分だしと思えていてもその数分でさえも逃げられないということがすごく怖いのだ。
もう私は1日ずっとここにいるしかない。そう思うほど動けなくなった。
結局、家族に迎えに来てもらい一緒に乗って帰った。会社を遅刻させてしまった。帰れることに安心しつつ、情けないし怖いし申し訳ないし辛いしで涙がじわりと溢れた。
もう二度と乗りたくない。
また、こういう風になってしまうことも家族など人に迷惑をかけてしまうことも嫌だ。
だから乗りたくない。
会社も辞めてしまいたい。
全て辞めたい。
だけど今は何も考えられない。
気持ちがせかせかする。
とにかく今はもう考えることをやめようとその日はベッドに入りひたすら眠ったりスマホをイジったりした。
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