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メルフ Merv: The Heart of the Silk Road

色鮮やかな盤面が美しい「メルフ(Merv: The Heart of the Silk Road )」を遊ばせていただいた。デザイナーは、ファビオ・ロピアーノ(Fabio Lopiano)で、ラグーザ、サポテカなどの作者だ。

アートワークが独特で美しいと思ったら、イアン・オトゥール(Ian O'Toole)だった。繊細な模様と色鮮やかな感じは雰囲気があって素晴らしい。



ゲーム概要

12世紀に栄えたシルクロードの都市メルフを舞台に、商人として成功を収めることをテーマとしており、プレイヤーはメルフ市内に建物を建て、交易を行い、富を築く。しかしゲーム終盤にはモンゴル軍が襲撃してくるため、身代金を支払わないと建物が破壊される。そのため壁の建設や兵士の配置が必要だ。3年間で最も得点を獲得したプレイヤーが勝者となる。

メインボード中央にはメルフの町があり、5x5マスに建設予定地のタイルが並べられている。この4辺を1辺ずつ回っていく。

手番では、辺にある5マスのうち空いているマスのいずれかを選択し、その列にある5つのタイルから一つを選択して、もし建物が建っていなければ建設して資源を獲得する。この時、同じ色の建物がその列にあればそこの資源も獲得できる。その後、選んだタイルのアクションを行う。

アクションには、キャラバン宮殿図書館市場モスクの6つのアクションがあり、キャラバンで香辛料を購入したり、図書館で巻物を買ったり、モスクを建てたり、モンゴル人の襲来に備えて壁を設置したりできる。

メルフの町を1周(4ラウンド)すると1年経過し、3年でゲーム終了。最も勝利点の多いプレイヤーの勝利となる。

縦横に並ぶ資源とアクションの連鎖がパズルのようで悩ましい

5x5マスに並べられたタイルには、それぞれ得られる資源と行えるアクションが示されている。その列の辺に駒を進めてタイルを指定すると5色の資源(キューブ)を獲得できるのだが、このときそのタイルに置かれている建物と同じ列で同じ色の建物がある場所の資源ももらえる。

何を言っているのか分かりにくいと思うが、つまり縦横に建物を並べて建てたほうがお得ということだ。またタイルにはアクションも示されているので、欲しい資源(キューブ)と行いたいアクションの嚙み合わせも非常に大切になる。このパズル感がとても悩ましい。

場所の取り合いが熱い!

上記の建物パズルによる資源獲得は、実は他のプレイヤーも利用することができる。このため、あまりにもお得な列を作ってしまうと先のプレイヤーに駒を置かれて自分は置けなくなる。この激しい場所の取り合いもとても熱い!

このため次のラウンドの手番順も重要な要素になるのだが、これは進行方向のより先に置いたプレイヤーからの順番になる。つまり現在のラウンドで資源を効率よく獲得して、したいアクションを行うのか、次のラウンドに向けて我慢して先の手番を目指すのか、非常に悩ましい選択を迫られる。これがまた面白い。

モンゴル人の襲撃に備えて壁を建設しなければならない

2、3年目(2、3周目)の終わりにはモンゴル人の襲撃を受けて建物が破壊されてしまうため、それを防護するための壁が必要になる。せっかく建てた建物が壊されてしまうと困るので壁の建築も非常に重要だ。これはなかなか独特なシステムで面白い。

得点計算はポイントサラダで複雑

1年(1周)の終わりに毎回、得点計算が行われる。巻物、香辛料、商品の数によって得点を得たり、建物の数、スコアタイル、モスクトラックの進行状況、香辛料のセットコレクションによるボーナスもある。

このゲームを複雑なものにしている理由は、この得点計算だ。とにかく種類が多すぎて、自分が今何点得点できているのか非常に分かりにくい。ポイントサラダにすることで最後まで勝敗が分かりにくく集中力が途切れにくい今風のデザインだとは思うが、あまりにも多すぎる印象だった。

感想

今回の満足度:7点(10点満点)

なんだか非常に「惜しい!」と思ってしまった。
中央の建物を建設するパズル感、他プレイヤーとの場所の取り合い、壁で街を守るシステムは非常に洗練されていて面白いのだが、得点方法があまりにも多く複雑すぎて訳が分からなくなってしまった。

リプレイを繰り返せば得点の見通しも出来てきて非常に面白くなる可能性を秘めていると思う。ただ、インタラクションを考えると4人プレイが一番面白いのは間違いなく、このゲームのリプレイに付き合ってくれるメンバーがあと3人もいるとは、ちょっと思えない。実に惜しい。


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