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064: エンデバー:ディープ・シー 〜魅力&感想編〜

前回の続き。今回は、その魅力とプレイ後の感想を述べたいと思う。



無駄のない洗練されたエンデバーシステムが面白い!

まず何と言ってもオリジナルの「エンデバー」から受け継いだ4種類のパラメータ上げが面白いのだ。

1番目の知名度トラックを上げるとレベルの高いスペシャリストを雇うことができて、アクションの質が上がる。2番目の指導力トラックを上げるとディスクが増えて単純にアクション数が増える。3番目の調整力トラックを上げるとディスクの回収量が増えて、やはりアクション数が増える。創造性トラックを上げると潜水艇の移動力が増え、深海深くまで潜れるようになるのでやはりアクションの質が上がる。

これらはどれも重要で無駄が全くない。全ての要素を上げたくなるし、また上げなければゲームに勝つことは出来ないだろう。この爽快感のある単純明快なシステムこそがエンデバーの魅力の根源であるように思う。

序盤は苦しいが、その後の拡大感が気持ち良い♪

注意して欲しいのは、序盤はかなり苦しくなった印象だ。少なくとも第3ラウンドぐらいまでは何もできないと思っていいぐらい苦しかった。元のエンデバーはもう少し楽なプレイ感だったと思うが。

その分、中盤以降の加速が凄い。アクションも移動範囲も急激に増加してどんどんとやりたいことが出来るようになる。と思ったら、あっという間に6ラウンドが終了してしまった。

おそらく他プレイヤーのサイトを奪うことが出来なくなったので、これ以上長いとゲームが破綻してしまうのかもしれない。ゲームバランスはとても丁寧に調整されている印象を受けた。

攻撃要素がなくなり、より現代的なインタラクションに変化!

今作の最も大きな変更点であり好みの分かれるところは、そのインタラクション性だろう。もともとの「エンデバー」は世界が6+1の地域に分かれており、その地域でのマジョリティ争いを行うことをテーマとしていた。

そのため、いつも他のプレイヤーとの力関係に注意を払う必要があり、神経をすり減らしながらお互いの動きを牽制し合う必要があった。また攻撃要素もあり他プレイヤーの都市を攻撃して奪うことも可能であった。

この強いインタラクション性が「エンデバー」の魅力の一つではあったのだが、攻撃要素を好まないプレイヤーも少なからずいたようで、エンデバーがゲーム会に出しにくい理由でもあった。

エンデバーのメインボード

しかし、今作「ディープシー」ではこの攻撃要素が完全になくなっている。地域は海洋ボードというモジュールに分かれ、アクションサイトや潜水トークンの早取り要素のみとなった。

では他プレイヤーとの絡みがなくなり、つまらなくなったかというとそうではないと感じる。まずディスクの置けるサイトが少ないため、ボヤボヤしていると美味しいアクションサイトは全て持っていかれてしまう。

またソナーアクションで新しい海洋ボードを出しても、潜水艇の能力が低いと海深く潜ることは出来ない。このため、やはり他プレイヤーに先を越されてしまう。また海洋ボードは配置する場所を選べるため、出来るだけ自分が得をするように配置するのも面白い。

攻撃要素の苦手な私のようなプレイヤーは非常に快適に遊ぶことができるようになっており、実際ゲーム中は終始楽しくプレイすることができた。どちらが良いということではなく、より好みに合う方を選べるようになったことを歓迎したい。

シナリオシートにより何回でも遊べそう!

まだ任務1のシナリオしか遊んでいないので何とも言えないが、両面のシナリオシートが5枚付属している。それぞれのシナリオでは異なる目標、初期マップ、インパクト表が記載されており、これを変えるだけでかなりゲームの目標が変わりそうだ。

少なくとも10回は遊べると思うし、拡張でシナリオが追加されることも期待できる。これは面白そうなので、今後ぜひプレイしていきたい。

今回の満足度:10点(10点満点)

これは非常に面白かった。
昨年、名前も聞いたことがなかった「エンデバー」を遊ばせてもらい、パラメータ上げがとても面白いと思いつつも殴り合いのマルチ要素が気になり、またプレミア化していたこともあり購入まで至らなかった。

しかし、今回は懸念の攻撃要素は全く排除され、しかしサイトや潜水トークンの早取り、リンク形成によるwin-winなインタラクションなど現代的な改良を加えられてリメイクされたことは非常に嬉しい。

先に述べたように元々のエンデバーは大航海時代の植民地競争がテーマとなっており、そちらの方が好みというゲーマーもいると思うので、そういう方は第2版である「Endeavor: Age of Sail」を入手されると良いだろう。ただ日本語版は存在しない。

しかし攻撃要素が好きではないゲーマーには今作「エンデバー:ディープシー」が非常におすすめだと思うし、遊ぶメンバーで使い分けても面白そうだ。ともあれ、選択肢が増えて名作エンデバーが遊びやすくなったことは非常に素晴らしいと思う。


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