貴族の務め 〜古き良き名作〜
1990年ドイツ年間ゲーム大賞受賞作品。デザイナーは、クラウス・トイバー。名作中の名作なので一度はプレイしたいと思っていた。今回は幸運にも5人名作(迷作?)会でプレイさせていただいた。
ゲーム概要
プレイヤーは英国の貴族となり、オークションで骨董品を収集してお城の展覧会で名声を得るゲーム。
まずは全員同時にオークションハウスか、お城のカードを伏せて出す。
ここで2つのグループに分かれ、オークションから処理していく。
<オークション>
まずオークションハウスを選んだプレイヤーは、小切手か泥棒のカードを同時に伏せて出す。一番高い小切手を出したプレイヤーが今回オークションに出されている2つの骨董品のうち1つを獲得する。
次に泥棒を出したプレイヤーが1人の場合は、小切手を盗むことができる。しかし、泥棒が2人以上いた場合は警戒し合って小切手は手に入らない。
<お城>
お城を選んだプレイヤーは、展示、泥棒、探偵のいずれかのカードを同時に伏せて出す。
・展示を選んだプレイヤーは全員同時に、手札の骨董品を3枚以上でかつアルファベットが繋がるように公開する。一番多くの美術品を展示したプレイヤーは、トッププレイヤー駒のマスに記載された上の数字分だけ駒を進める。2位のプレイヤーは下の数字分だけ駒を進める。
・泥棒を選んだプレイヤーは、展示されている骨董品を各展示から1枚盗むことができる。
・探偵を選んだプレイヤーがいる場合、泥棒は全て牢獄へ収容されてしまい、泥棒を捕まえた探偵プレイヤーは、その時の順位分だけ駒を進めることができる。
これを繰り返していき、誰かの駒が最後のダイニングテーブルに到着するとゲーム終了。最も先頭にいるプレイヤーの勝利となる。
2つのグループに分かれるのが珍しく面白い!
上記の通り、ラウンドの初めにオークションハウスかお城のカードを伏せて出す。2択しかないのだが、この瞬間が実は非常にドキドキする!
というのも、ここで2つのグループに完全に分かれてしまうので1人だけ他のプレイヤーと違うグループになれると、その後のプレイが非常に楽なのだ。つまり、オークションへ1人だけ行けたら一番安い小切手で確実に骨董品を得ることができるし、お城へ1人だけ行けたら必ず1位で展示することができる。
このメリットは非常に大きいので、このラウンドに他のプレイヤーがどういうアクションをしたいのか読み合うことは非常に重要であり面白い。
そして完全に2つのグループに分かれるゲームは珍しく、サンマルコの4人プレイぐらいしか私は知らない。同じゲームをプレイしているのに2つのグループで別々のことをするのは非常に残念なシステムになりやすいと思うのだが、グループに分かれることに価値があるという点でこのゲームは非常に優れていると思う。
三すくみのシンプルな駆け引きが面白い!
お城では展示、泥棒、探偵の3つの選択肢がある。基本的には誰よりも多くの骨董品を展示して駒を進めていきたいのだが、そうそう上手く手札が繋がるように準備するのは難しい。また泥棒がいると手札の骨董品が盗まれてしまうリスクもある。
このため泥棒を選択して他プレイヤーの骨董品を盗んで手札を充実させることを考える。これはまたトッププレイヤーの妨害にもなるので一石二鳥なのだ。しかし、探偵を出したプレイヤーがいると牢獄に入れられるリスクもある。
順位が後ろの方であれば探偵で泥棒を捕まえるだけで得点になる。5人プレイで最下位の場合は5点獲得して前に進めるので、場合によっては展示で1位を獲るよりたくさん進める可能性もあり、順位によっては魅力的な選択肢だ。しかし泥棒がいないと空振りに終わるリスクもある。
このようにお城でのアクションはジャンケンのような三すくみの関係にあり、シンプルながらも読み合いの駆け引きが非常に楽しいものとなっている。
総評
今回の満足度:7点(10点満点)
今回5人プレイで遊ばせていただいた。他プレイヤーとの駆け引きをメインとしたシステムはいささか古臭さを感じるものの、非常に楽しくプレイできた。
貴族が骨董品を集めて各地のお城で展示会をする設定や、泥棒が骨董品を盗んで牢獄に入るなど、ちょっとユーモラスな雰囲気が心地よく、万人に受ける感じが1990年とはいえさすがドイツ年間ゲーム大賞作品だと感心した。
今では入手難なのが残念で、さすがにプレミア価格で手に入れるぐらいなら最新のゲームを買って遊んだほうが良いと思うが、遊ぶ機会があるなら一度試してみても悪くない名作だろう。
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