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クオ・ヴァディス

5人名作会(迷作会)にてプレイさせていただいた。名前すら聞いたことのない作品だったが、クニツィア博士の切れ味鋭い交渉ゲーム。1992年ドイツ年間ゲーム大賞ノミネート作品。

BGGより引用

ゲーム概要

プレイヤーは古代ローマの一つの会派を受け持ち、議会に議員を送り込み元老院で権力を掴むことを目指す。

ゲーム開始時、議員コマを8個受け取る。手番で出来ることは3つのうち1つ。

①議員を1人、一番下の議会に置く。
②過半数の賛成を得て、上の議会に上がる。
③カエサルを動かす。

これを繰り返していき、一番上の元老院の議席が埋まったらゲーム終了。元老院に議員がいるプレイヤーの中で、最も勝利点の多いプレイヤーの勝利となる。

一番上のエリアが元老院。他には1、3、5の議席を持った議会がある。BGGより引用


とにかく交渉するしかない!

ベストと言われている5人でプレイさせていただいた。

プレイしてみてすぐに気付いたのが、このゲームには運要素がない。ゲーム準備時、ランダムに配置する勝利点マーカーによりバリエーションがある程度だ。おそらく何回もプレイすると勘所も分かってくるのだろうが、今回は全員初プレイのため手探りでのプレイとなった。

私は赤のコマ。初手はまず議席1の議会に議員コマを置いてみる。他のプレイヤーも好き勝手な場所へ置いていく。2手番目、私が駒を置いた議会は定数が1なので、自分の意思だけで上の議会へ上がれる。

そして困った。2段目の議会に上がったはいいが、これより上の議会に行けない。議会は過半数の議席が埋まらないと移動できないからだ。カエサルを動かしてきて上がる方法もあるが、勝利点が得られないため旨くない。

結局、他のところに議員を置いているうちに黒プレイヤーが上がってきたので、早速交渉をしてみる。

1点あげるので、上に行かしてもらえませんか?

「うーん、どうしようかな・・・」

(う・・・、ちょっと反応悪いな。もうちょっと条件が必要か?)

他の議会で上がる時には協力しますよ(^^♪

ちょっと迷いながらも黒プレイヤーさんが了承してくれた。
正直、2点獲得して1点払っているのであまり旨くないのだが、とにかく元老院に到達しなければ勝利はあり得ない。ここは目をつぶって上に上がることを優先した。

まあ万事この調子である。とにかく過半数を獲るか交渉をしないと上にいけないので、恐ろしいほど駆け引きが重要だ。これは最近のゲームには全くない要素なので新鮮なのだが、慣れないと相当難しい。


とにかく議員を置くことは大事!

全員が初プレイなのでフワッとした手なりのプレイが多かったのだが、戦略家の黄プレイヤーさんは着実に議員駒を送り込み、あらゆる議会に顔を出してきた。後で分かったが、これは非常に上手いプレイだったと思う。

こうなると他のプレイヤーに賛同して、過半数を得て上がられても1点を獲得できるし、自分で議席の過半数を得られれば無条件で上に上がれる。また定数1の議会は足止めしておけば他のプレイヤーの妨害もできる。

なるほど、こういうプレイが求められるゲームなんだ。そう考えると非常に戦略的で面白い。


切れ味鋭く、あっという間に終わる

よーし!分かってきたぞ!
なんて考えていたら、次々と上部中央の元老院にみんな入ってきた。まずここに議員を置かないと勝利条件を満たせない。慌てて私も議員駒を元老院へ入れた。

それで5席の元老院は埋まりゲーム終了。
え!?もう終わり。

あっという間に幕切れである。
プレイ時間を確認すると30分ほどだった。


最終得点計算

結局、元老院へ進めなかった黒プレイヤーは脱落。
私は13点のロースコア。
ゲームは黄プレイヤーさんの圧勝で終わった。


総評

今回の満足度:7点(10点満点)

とても新鮮なプレイ感で面白かった。特に交渉要素は全く慣れていないので上手くできなかったのだが、クローズ会だったので和気あいあいと冗談も言いながら交渉するのは楽しい時間だった。

最初にインストを聞いた印象よりも戦略的な面もあり面白いと感じたが、その一方で剥き出しのゲームシステムは非常に荒々しく、現在の洗練されたゲームで遊び慣れた自分にはちょっと難しいとも感じた。

気のおけない仲間たちとクローズ会で楽しくプレイできるなら、また遊んでみたい作品かな。


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