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ANAドローン配送【事業分析⑧】

本日(2021年4月15日)の日本経済新聞朝刊の1面に、

「ANAドローン配送 来年度にも 規制緩和にらみ参入」

の記事が出ていました。

これは素晴らしい事業展開ですね。感心しきりです。着目点を含め勉強になりました。


事業内容は、


2022年度にも、国内でドローンによる物流サービスに乗り出すというもの。


全国の離島や山間部に日用品や医薬品を運びます。また、災害時の医薬品輸送も想定しているそうです。

ドローンは、ドイツの新興企業が開発した、最高時速240キロメートルで一般の汎用ドローンの10倍以上となる120キロの距離を飛べるドローンを導入するそうです。

政府は3月にドローンが飛べる空域の拡大などを盛り込んだ航空法の改正を閣議決定し、22年度をめどに人口密集地でも目視者なしでドローンを飛ばせるようになるという規制緩和が行われます。


新規事業の分析


➀自社の技術や資産が使えること(=強み)

ANAは、運行ルートの設計や機体の安全管理などの面で既存の航空輸送技術のノウハウを生かすそうです。

そして、空の事業としてANAのブランド力を生かすことができます。ANAであれば、空のことはよく知っているので安心できますよね。

➁市場は始まったばかり(=アドバンテージを取ることができる)

まだ競合がなく、潜在市場を開拓することができ、NO.1ブランドになることができます。また市場のルール決めなどで支配的ポジションをとることができます。

➂通販市場が拡大している(=ビジネスチャンス)

ネット通販はコロナ禍でさらに充実してきていますので、利用客数も利用量・頻度もこれからも増えることが予想されます。

➃競争力がある

日本経済新聞にも書かれていましたが、既存の陸運会社が競合となりそうです。しかし、航空輸送のノウハウを持っている点やブランド力で競争力があります。先発で参入して一気に市場を取りに行くと、その後もトップシェアを維持できると思います。

という具合に、理想的な新規事業開発だと思います。

➄市場規模は未知数

現在想定されている利用は、全国の離島や山間部に日用品や医薬品の運搬ですので、これだけを見るとそんなに大きな市場規模のようには思えません。しかし、「人口密集地でも目視者なしでドローンを飛ばせるようになるという規制緩和」によって、どんな利用を提案して市場を創造されるのか楽しみです。


私が一番素晴らしいと思った点は、


「そんなチマチマしたものを運ぶのはわが社ではない!」とか、「そんな新興企業のドローンなんか使えない!」というようなネガティブな感情なしに柔軟にチャンスを見出しているところです。


バランス感覚に優れた経営陣なのでしょう。

素晴らしいです!!



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