湯川秀樹博士の著書『目に見えないもの』から次の時代を考えるヒント。【コラム】

 コロナという自然との戦いが続いていますが、このような状況下で思い浮かぶのが湯川秀樹博士の『目に見えないもの』という本です。昭和21年に初めて出版されたかなり古い本ですが、コロナのニュースで少し気が滅入る先行き不透明なときに読むと、先が少しわかるような気がして元気になる本です。

何回も読み直さないと理解できない内容ですが、自然とはそうなっているのか!とわかるだけで時代の大転換期にあっても光が見える思いがします。


例えば、(以下引用)

「その心(自然の心のこと)はしかし人間よりもはるかに理性的なものである。自然自身は自分自身の規則を持っている。そしてそれから逸脱した振る舞いをすることはけっしてないのである。自然力の発現、自然の姿の変化は、すべて自然が自ら定めた規律に忠実である結果として生まれてきたものである。」

「形ある物としての機械の背後には目に見えない自然力があり、物も力も不動の自然法則に従っていくものであることを忘れてはならないのである。」

と、マーケ戦略、事業戦略を立案する際の考え方のヒントになることが書かれています。


コロナ禍で起こったことを少し整理してみると、

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   不要不急の外出を控える 、在宅ワーク、衛生管理の徹底・・・

    ×  理性的 

   =  自然との共存、SDGs、働き方改革、・・・。

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 こうやって見ると、コロナ前からいろいろ提唱されてきたことが出てきます。これらが加速的に進むのではないでしょうか?時代の大きな変化の初めのころは、なんとなく違和感があって受け入れるのに抵抗を示してしまいがちですが、時代に抗うことなく素直に従いたいものです。


また、この本の最後のほうに「思想の結晶」という章があって、

「自分の思想が書物の形において一応固定させられたがゆえに ―頭の中で浮動している間は曖昧であったー 長所や短所がはっきりと明るみにさらされることとなるのである。それはもはや自分一人の私有物ではなく、万人の共有物として、さまざまな批判検討を受けなければならないこととなる。そしてそれ故にこそ、著者自身にとっては、さらに前進するのに最も都合よい基地となるのみならず、他の多くの人たちの心にも新鮮な栄養となり、強い刺激を与え得るのである。」

とあります。

noteが良い役目をされていますね。

文章のみならず、商品やサービスも自分の頭の中に入っているものを形にして世の中に出して良い悪いの評価を頂きながら磨きをかけていきたいものです。

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