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SDGs―持続可能な社会が許容できる最大人口ってどれぐらいだろう?

SDGsで、持続可能な社会と言われていますが、世界が持続していくために許容できる最大人口ってどれぐらいなのでしょう?

今のまま、世界で人口が増加していっても良いのか、それとも、大きく人口減少しないと持続可能でないのか、そこが見えないと、個別の施策の方向性がばらばらになり、効果的・効率的な対策が取れないように思います。
しかし、今一つ、そのような情報が表立って語られていないような気がしています。

そこで、少し、考えを整理してみることにしました。

まずネックになると思われるエネルギーの条件を整理してみます。

まず、化石燃料(石油・石炭・天然ガス)やウラン燃料などは、有限な資源であるため、持続可能な資源ではありません。

太陽光、風力、水力は、持続可能です。

地熱は、有限なのでしょうが、今のところは、ほぼ持続可能と考えます。

薪や木炭も一定の森林等が維持できれば、持続可能な資源です。ただし、薪や木炭は、そもそも植物による光合成の結果なので、大きく見ると、太陽光に含まれると考えます。

今後、核融合が可能になれば、大きくエネルギー事情が変わると思われますが、これは、今のところは未確定なので、考慮しないこととします。

以上を整理すると、現時点で持続可能なエネルギーは、太陽光、風力、水力、地熱のみと考えられます。

このうち、水力は、大きな発電が可能な水系は、ほぼ開発済みですので、伸びしろがあるのは、太陽光、風力、地熱ということになると思われます。

しかし、これらの持続可能なエネルギーで化石燃料(石油・石炭・天然ガス)やウラン燃料で産み出されていたエネルギーを代替えすることは、極めて厳しいように思われます。

それはつまり、エネルギーの観点から見た場合、世界が持続していくためには、人口減少が必須なのではないかということになります。

では、化石燃料(石油・石炭・天然ガス)やウラン燃料なしの場合、どのぐらいの人口であれば、維持可能でしょうか?

実は、日本では、過去の事例から、それが推計できそうです。

江戸時代末期、日本は鎖国していました。

日本は島国でもあったため、鎖国中は、域外とのエネルギー収支は、ほぼ無視できるほど小さかったと推察されます。

その状況で、江戸時代後期の人口は、ほぼ3000万人で横ばい。エネルギーは、太陽光(薪や木炭、菜種油など)が中心でしたが、江戸時代末期には、里山のほとんどは薪炭材として伐採され、はげ山となっていたそうです。

つまり、太陽光中心で、江戸時代の生活レベルを持続していくために許容できる最大人口は3000万人程度だった推察されるのです。

もちろん、現代では、エネルギー効率が上がったり、風力・地熱などのエネルギー開発も可能であることから、江戸時代に比べれば、より多くの持続可能なエネルギーを供給することが可能ですが、一方で、生活レベルが上がっているため、江戸時代に比べ、1人当たりの使用エネルギー量も大きく増加しています。

そのような状況を考えると、あくまでざっくりですが、現在の日本で、現代の生活レベルを維持し、持続していくために許容できる最大人口は、良くて、5000万人程度ではないだろうかと推察されます。

つまり、日本単独で考えた場合、現在の半分以下まで人口を減少させないと、持続可能にはならないのではないかと思われるのです。

厳しい想定ですが、このような想定があれば、その方向を睨みながら、都市の再編を図るなど、方向感の揃った、効果的・効率的な対策が取れるのではないかと考えています。

同じような試算を、世界各国で行い、それを集計すれば、世界が持続していくために許容できる最大人口の当たりがつき、世界全体として方向感の揃った、効果的・効率的な対策が取れるのではないかと思うのですが、どこかに、そのようなデータはないでしょうか?

ご存じの方がいましたら、是非、お教えください!


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