同窓会で10年以上ぶりに現れた高校時代の私
少し前に高校時代の同窓会があった。
高校卒業して10年以上が経った。
あの頃の私とはだいぶ成長して、変わったと思っている。
そして高校の同級生もきっと、そうなのだろう、と思っていた。
*
卒業から10年以上、同窓会の知らせ
1年前くらい、高校の同窓会をやるらしいと、風のうわさを聞いた。
私の学年はあまり一体感がなく、リーダーシップを発揮する人もいなかったので驚いた。誰が事務局をやるのかな、本当にやるのかなと思いつつも、滅多にないイベントに少し心が躍った。
けれど一向に音沙汰なく、忘れかけたある日
やっと同窓会の知らせが届いた。
私はその知らせを聞いて、私はとてもわくわくしていた。
仲の良い高校の友人数人ですら、年に1~2回会えるかどうか。
その他の同級生たちは、プライベートで遊びはしないが、学校生活では普通にそこそこ仲良くしていた子もいる。
数人の友人以外は、SNSも繋がっておらず、みんなどこで何をしているか、全く知らない。まさしく会えるのは卒業以来だ。素直に会いたいなと思った。
あと、わくわくした理由の1つに、
大人になった今だからこそ、フラットにいろんな人と会話できるだろう、という期待。
高校当時は、目には見えざるカーストが確かに存在していた。誰彼構わずお気楽に話すことは簡単ではなかった。
私は、この10年で大学生、社会人を経て、転職も結婚もした。特にここ数年は自分にとっては怒涛の日々で価値観も大きく変わった。
学生時代のあの頃とは、違う自分が今はいる。
それと同じように、同級生たちもそれぞれの道に進み、生活を持っている。
あの頃とは違うだろうけど、違うみんなを見てみたい。
大人になってから、交流関係が狭くなっていたから自分と異なる価値観をもつ人とたくさん話せるのは良い機会だと思った。
*
いざ、同窓会当日
当日会場につくと、まず思ったよりも人少ない。全然おらん。
会場:参加人数の比率おかしい。
事務局のアナウンスも結構直前だったし、スケジュールの調整がつかなかったのかもしれない。
それかみんなもう高校時代の友人には興味がない…?
未来だけを向いているの…?
そして何より、めっちゃ小グループで固まっている。特に女子。
会場:参加人数の比率がおかしいから、そのグループ間の空白がよく目立つ。
よく見ると、皆さん垢ぬけて綺麗なのだけど、当時の面影はまだまだしっかりある。
かすかな記憶を呼び起こすと、まさしく当時のグループで固まっていらっしゃった。
皆グループ内で会話していながらも、めちゃくちゃ周囲を気にしていそうな絶妙な雰囲気。
その瞬間
バタン、
と急激に、あの日のカーストが降りてきた。
気がした。
思ってたんとちがう!!!!!
高校時代の私は、「シャイでいじられ役」だった。
いまの私はあの頃よりだいぶ知識も経験もつけて、身も心も大人になって、自然といろんな人と話せる、と思っていた。
それなのに、見えざるカーストが目の前に降りた瞬間、当時の私にタイムスリップしてしまった。
見た目は30代、中身は高校生★
そんな緊張状態で始まった同窓会であったが、
お酒が入ったら多少会話できるようになった。
(お酒の力を借りなくては動けない、情けない)
だけど、深い話なんてできず、思い出話か、本当に浅い、浅い内容の話だった。
私は、同窓会に何を期待していたのか。
私は、変わっていないのか…?
人は変われないのか…?
同窓会は、結局はそれなりに楽しかった。
けど、ショックも大きかった。
*
同窓会では、そんな「もやあ」で終わって、数ヶ月
最近読んだ本に救われた。
「私とは何か」
小説家の平野啓一郎さんが書かれた新書。
小説を書く中で意識していた考え方を新書として展開している。
私とは?自分らしさとは?他者と関わる自分を肯定するには?
新しい視点で人間観を捉えることができる一冊。
個人は分けられない単位であるが、その個人は他者との関係で生まれる分人で構成されている。
中学・高校・大学の友人、前職の同僚、現職の人、夫、両親、それぞれと関わる自分は、どれもちょっと違う。
だけど、この著書では、どれが本当の自分?と思うけど、人は対人関係によって異なる顔(分人)があることは当たり前のことであると言っている。
個人=分人×対人関係数
その時々で自分に合った分人(対人関係)の割合を変化させているらしい。
交流関係によって異なる自分でいていいし、ライフステージによって付き合う人が変わったり、交流頻度が変わったりすることは自然なことだ。
今回は高校生の時の自分が久しぶりに呼び起こされてしまって、もやもやしてしまったけど、それも自然な感情だったのだな。
いまの自分がちょうどよいと感じる交流関係が持てればいい。
自分が好きでいれる自分でいれる場所を持っておけばいい。
まあ、でも時々刺激がある場に身を置くのも面白い、かな。
高校時代の私よ、またの機会まで眠っていててね。
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