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アートを知りたい

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#芸術

存在の確かさと見ることの危うさ 光の館で現代アートに泊まる

天井に穴の空いた館。 それが今回訪れた新潟県十日町にあります。 光の館。 昼間は一般にアート作品として公開されていますが,夜は一棟貸しの宿泊施設になります。 自然光と人工光を調和させ、「陰翳の美」を創り出す。そこに、空の青、壁の金、床の間の赤、浴槽の緑、そして全体を覆う黒い色調が微妙なコントラストを与えている。それは「美は物体にあるのではなく、物体と物体との作り出す陰翳のあや、明暗にあると考える」日本の文化への、西洋の文化を背景としてきた私なりのアプローチであった。これま

写真家ソール・ライター いとあはれ

わび・さび in New York. 渋谷で開催中のソール・ライター展行ってきました。 私なりの絵画と写真の違いの解釈は, 絵画や彫刻は, ピュアな創造物である 思考する隙がある 一方で写真は, 量産が可能である 現実であり隙がない と思っておりました。 が,今回ソール・ライターの作品で写真を見る目が変わりました。 感じたのはわび・さび。 ぎりぎり顔が見えないとか,ぼやけているとか, 写真に映る対象者は,具体的な人ではない。 もしかしたら鑑賞者自身かも